研究レポート

【男性/18〜84歳】健診16項目経年推移:2019-2024年度累計データ

【体格指標①】BMI

BMIとは…
「ボディマス指数」と言われており、基準値以上では肥満度の指標として扱われることがあります。
男性は20代後半より、4人に1人は基準値を超え始め、加齢に伴い中央値が増加する傾向にあります。

【体格指標②】腹囲

腹囲とは…
臍の高さの腹囲を測ります。内臓脂肪の量を推定する指標とされます。
男性はBMI同様、20代後半から基準値を超える。内臓脂肪の蓄積は男性ホルモンの低下の原因となります。

【循環器系検査①】収縮期血圧

収縮期血圧とは…
心臓が収縮して全身に血液を送り出す際の血圧です。一般的に、「上の血圧」と呼ばれます。
血圧が高いと判断された場合、減塩・カリウムの摂取(野菜や果物)を積極的に、またアルコールを控えると同時に、運動と体重管理が効果的だといわれています。

【循環器系検査②】拡張期血圧

拡張期血圧とは…
送り出した血液が、心臓に戻ってきて拡張している状態の血圧で、一般的に、「下の血圧」と呼ばれます。
まずは減塩から始めてみたり、毎日15分歩く習慣をつけたり、少しずつ気長に習慣化することが改善のコツです。

【脂質関連検査①】中性脂肪

中性脂肪とは…
体内の脂質の一種。体脂肪の最も安定した形です。体を物理的に保護する一方、エネルギー源としても必須の物質です。
しかし、この検査で示される中性脂肪の値は、血液中の濃度であることから、代謝的に安定な皮下脂肪というより、代謝的に活発な内臓脂肪の血中流出濃度と相関性が高いと考えられています。

【脂質関連検査②】LDL(低比重リポ蛋白)コレステロール

LDL(低比重リポ蛋白)コレステロールとは…
LDLは肝臓で生成されたコレステロール(生体膜の必須成分)とその他の物質を搭載して、全身の細胞に運搬する役割を果たしています。つまり、LDLコレステロールとはLDL粒子が運んでいるコレステロールの量を示します。
本来必須の物質にもかかわらず、過剰になると血管壁に侵入し、酸化LDLとして動脈硬化を促進することから、「悪玉」というかわいそうな呼び名で呼ばれています。

【脂質関連検査③】HDL(高比重リポ蛋白)コレステロール

HDL(高比重リポ蛋白)コレステロールとは…
LDLと拮抗する作用をもち、血管内の余分なコレステロールやリン脂質を回収し、肝臓に運ぶ役割をもちます。LDL同様、HDL粒子が運ぶコレステロールの量を示します。
結果として、血管壁に蓄積される酸化物を減少させることになり、動脈硬化の進行を妨げることから「善玉」とよばれています。

【脂質関連検査④】非HDL(Non-HDL)コレステロール

非HDL(Non-HDL)コレステロールとは…
総コレステロールからHDLコレステロールを引いた値で、LDLコレステロールだけではなく、他の動脈硬化を促進する脂質も含みます。
空腹時に限らず評価できることも含め、LDL単独よりも、健康に悪影響を与える血中脂質の指標として2007年ごろから有用性が評価されている項目です。

【糖代謝検査①】血糖

血糖とは…
血液中のグルコース(ブドウ糖)の濃度。グルコースは砂糖の成分の一つで、多くの糖の構成分子です。あらゆる生物にとって重要なエネルギー源です。食事により血液中の濃度が上昇した後、膵臓のインスリンの作用により近傍の細胞に取り込まれ、血糖が正常値に下げられます。
摂食による影響を避けるために空腹時血糖が一般的な指標とされています。

【糖代謝検査②】ヘモグロビン(Hb)A1c

ヘモグロビン(Hb)A1cとは…
赤血球中のたんぱく質である「ヘモグロビン」にグルコース(ブドウ糖)が結合した割合を示します。赤血球のターンオーバーは約120日と言われ、長期(1〜2か月)の糖摂取を反映するため、血糖管理の経過指標として重要視されます(NGSP値)。
普段から血糖値を安定させる生活習慣を実践しましょう。

【尿酸腎機能検査①】尿酸

尿酸とは…
細胞核中のDNA・RNAの構成成分であるプリン体の分解物質。食事から由来するものと、体内で生成されるものがあります。筋肉分解を促す過剰なトレーニングや絶食、あるいはたんぱく過多な食事(プロテインも含む)は尿酸を増加させます。
高尿酸血症の状態が続くと、結晶化した尿酸が痛風発作を起こす危険性があるので注意が必要です。

【尿酸腎機能検査②】クレアチニン

クレアチニンとは…
筋肉の分解により血中に流出します。通常は腎臓で濾過されて尿中に排泄されます。しかし加齢とともに腎機能が低下し、排泄されにくくなります。結果として血液中の濃度が上昇します。いわば腎臓の機能をモニタリングする項目ともいえましょう。
腎機能を保つためにも、数値の変化を注意深く見守りましょう。

【尿酸腎機能検査③】eGFR(推算糸球体濾過量)

eGFR(推算糸球体濾過量)とは…
クレアチニン値をもとに腎臓の糸球体が血液を濾過する能力を推算した値です。クレアチニン基準値は男女で異なるため、計算方法には性別補正が入っています。男女ともに、60未満を示すと、腎機能低下と評価されます。

【肝機能検査①】AST

ASTとは…
GOTとよばれている項目の国際標準名。アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼという代謝酵素の略称。肝臓・心臓・筋肉細胞の破壊により血中に流出します。主に肝機能の指標として用いられていますが、肝臓以外の原因で上昇することもありますので、基準値を超えた場合は医療機関に相談することをお勧めします。

【肝機能検査②】ALT

ALTとは…
GPTとよばれている項目の国際標準名。アラニンアミノトランスフェラーゼという代謝酵素の略称。肝臓細胞の破壊により血中に流出するため、ほぼ肝機能特異的な指標として用いられています。
基準値を超えた場合、数値の大きさやASTとの比較で推定できる原因がいくつか明らかになっています。

【肝機能検査③】γ-GTP

γ-GTPとは…
消化器系を中心とする臓器に広く分布しており、特に肝臓や胆道で活発に発現する細胞内酵素の一種。肝臓・胆道の細胞の破壊により血中に流出するため、主に肝機能の指標として用いられます。
肝臓以外の原因で値が上昇した場合は薬剤による酵素誘導や、妊娠などがあります。またインスリン抵抗性の指標の一つであることからメタボ・糖尿病予備軍で上昇しやすいともいわれています。

POSTED COMMENT

  1. 東村山君 より:

    ご研究されているように年齢別に分布が示されると、より興味を抱く様になりますね。加えて、グラフも分かり易く工夫されていると思います。
    確認ですが、現在私達が受けている健康診断は、年齢別ではなく標準のしきい値で判定されていますが、人間の身体は年齢と共にそして生理現象に伴い体質が変化していますので、しきい値も年齢層で変わるのではないでしょうか?
    その様なご検討をされて居ましたら、お教え下さい。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です