「今年もまた、あの忙しい時期がやってくる……」
毎年10月や11月が近づくと、憂鬱(ゆううつ)になる人事労務担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そう、ストレスチェックの季節がやってくるからです。
実は、企業でのストレスチェック実施時期は「9月~11月」の秋に集中しているのをご存知でしょうか。
しかし、ストレスチェック実施の義務を果たし、従業員のメンタルヘルスを守るためであれば、必ずしも秋に実施する必要はありません。
今回は、人事労務の負担を大幅に減らし、かつ組織改善の効果を高める「実施時期ずらし」のメリットについて解説します。
なぜみんなストレスチェックを「秋」にやるのか?
多くの企業が秋にストレスチェックを行う理由は、主として2つあります。
1つ目は「秋の健康診断と一緒に案内した方が楽だから」という思い込み。
そして2つ目は、最も多い「前年も秋にやったから、なんとなく引き継いでいる」という慣例をそのまま踏襲しているケースです。
確かにこれらは一見効率的に思えますが、大きな盲点があります。
ストレスチェック実施の秋集中がもたらす、人事労務の「隠れた3大リスク」
全国で一斉にストレスチェックが行われる秋には、企業側に以下のようなデメリットが発生しやすくなります。
(1)業務のダブルパンチ
秋は年末調整の準備や下期評価面談など、人事の最繁忙期。そこにストレスチェックの事務作業が重なることで、担当者の手が完全に埋まってしまいます。
(2)医師の「争奪戦」
高ストレス者への「面談指導」を行える優秀な医師(精神科医や産業医)のスケジュールが全国的に埋まってしまい、面談のセットまでに時間がかかるリスクがあります。
2028年4月以降50名未満の小規模会社でもストレスチェックの実施が義務づけられるようになることから、この医師不足はますます深刻化していくでしょう。
(3)分析データの納品遅れ
多くの企業が一斉にストレスチェックを実施するため、結果の集計や集団分析データの納品に通常より日数がかかり、せっかくの職場改善のスタートが遅れてしまいます。
ストレスチェック時期ずらし(夏・冬実施)の「大きな3つのメリット」
では、あえてストレスチェックの実施時期を「初夏(6〜7月)」や「年明け(1〜2月)」にずらすとどうなるでしょうか。
(1)受検率が向上する
人事労務の手が比較的空いている時期に実施することで、未受検者への丁寧な督促が可能になり、結果として受検率がアップします。
(2)スピード感のあるメンタルケア
医師のスケジュールに余裕がある時期なので、高ストレス者へのスポット面談なども迅速に手配でき、休職や離職のリスクを早い段階で防ぐことができます。
(3)法的な問題は一切なし
「実施月を変えたらペナルティがあるのでは?」と心配される声もありますが、年に1回、適切な周期を保って実施していれば、何月に変更しても法的には全く問題ありません。
さいごに
ストレスチェックの時期をずらすことは、人事担当者さまの「業務の余裕」を生み出し、従業員への手厚いケアにつながる、賢い選択肢の一つです。
「うちの会社も時期を変更できるかな?」
「自社にとってベストな実施月を知りたい」
こうしたお悩みがあれば、ぜひお気軽にドクタートラストまでご相談ください。
貴社のスケジュールに合わせた最適な実施プランをご提案します。
よくある質問(Q&A)
Q1. ストレスチェックの実施時期は、いつでもいいのですか?
A. 年に1回、適切な周期を保って実施していれば、何月に実施しても法的には問題ありません。秋に集中している企業が多いのは慣例によるものが大きく、義務として秋に実施しなければならないわけではありません。
Q2. 実施時期を変更する場合、何か手続きが必要ですか?
A. 特別な届け出や申請は必要ありません。ただし、従業員への周知や社内スケジュールの調整が必要になりますので、余裕を持って準備を進めることをおすすめします。
Q3. 秋以外に実施するとしたら、いつがおすすめですか?
A. 初夏(6〜7月)や年明け(1〜2月)がおすすめです。人事労務の繁忙期と重なりにくく、医師のスケジュールにも余裕があるため、高ストレス者への迅速な対応がしやすくなります。
Q4. 実施時期を変えると、受検率は本当に上がりますか?
A. 人事担当者の手が比較的空いている時期に実施することで、未受検者への丁寧な督促が可能になります。結果として受検率の向上が見込めます。
Q5. 2028年からの義務化拡大に向けて、今から準備できることはありますか?
A. 実施時期の見直しはその一つです。50名未満の小規模事業所にも義務化が拡大されると、医師不足がさらに深刻化することが予想されます。繁忙期を避けた実施時期に変更しておくことで、スムーズな対応につながります。


