研究レポート

無自覚のストレスこそ早期発見・解消が大事!

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日々生活していく中で、さまざまな変化に対応している私たちにとってストレスはつきもの。
「私は大丈夫!」と思っていても無意識にストレスを溜め込んでいるかもしれません。
今回は、「最近疲れが溜まってきているかも」、「いつもより身体がだるい」などの自身の小さな変化にいかに早く気づき対処していけばいいのかを具体的に解説していきます。

無自覚のストレスとはどんなもの?

一般的にストレスとは、外部からの圧力によって生じる緊張状態のことを言います
圧力には、周りの環境や身体、人間関係などがありますが、受け取る本人にとって嫌なこと、つらいことだと強く連想されることによってストレス状態が変わり、身体や心にさまざまな反応が表れます。

また、すぐには反応が出ないが慢性的に継続することによってある日突然、大きなストレスと急変しかねないのが無自覚によるストレスです。
これらは、自分ではなかなか気づくことができないような出来事(生活リズムの乱れ、苦手な上司と一緒に仕事をする、満員電車など)から起こり得えると言えるでしょう。

無自覚のストレスを放置するとどうなる?

普段生活をしていて、原因不明の体調不良や苛立ちを感じることはありますか?
「ある」と答えた方は無自覚によるストレスが原因かもしれません。
適度なストレスは生活をしていく中である程度必要ですが、強いストレスを継続的に受けると、人はそのストレスに耐えることができず、心身ともに不調をきたしてしまうでしょう。
自律神経失調症やうつ病などのように自らで気づくことができる症状とは違い、無自覚ストレスの場合、自らでは気づくことができず、周囲の人が症状に気づくケースが多いのです。
周囲の人々が気づき、発信してあげることで軽減できる場合もありますが、発信がなければ重篤な症状に陥る場合もあるので注意が必要です。

ストレスで起こる体の異変

ストレスが蓄積してうまく発散されない状態が続くと、自律神経が崩れてめまいや吐き気などの症状を招きます。
それ以外にも、下記の症状が続く場合、ストレスによる異変を疑うべきでしょう。

・頭痛
・喘息
・アトピー性皮膚炎
・高血圧
・心臓病
・胃痛
・下痢・便秘
・腰痛
・更年期障害

ストレスの影響として、うつや不安障害といった精神的な部分が注目されがちですが、過剰なストレスは体に異変を引き起こします。
こうした症状が体に出ているにもかかわらず放置した場合、うつなどの精神疾患につながってしまうでしょう。
うつや不安障害は1度発症してしまうと、完治が難しい病気であり、その後の人生に大きな影響を与えます。
精神疾患につながってしまう前に、上記の症状が出たら思い切ってストレスの原因となっている環境から離れるなどして、自分の身を守ることを強くおすすめします。

無自覚のストレスに気づく方法

日本人の大半は1日の3分の1の時間を仕事に費やしています。
メンタル不調の原因の多くが人間関係によるストレスであり、仕事上、上司や同僚、さまざまな顧客とのやり取りをする中で無意識のうちに対人関係に悩みを持つ人が多いのが現状です。
しかし、仕事が忙しく誰にも相談できない環境の場合、自身で気づかないうちに症状に表れ、悪化してしまうこともあります。
下記は、無自覚のうちにストレスが限界に達した際の症状の変化の一例を場面別にご紹介します。

ストレスが限界に達した時に出る症状

職場

・勤怠が乱れる、無断欠勤が増える
・今まではできていたルーティン作業が出来なくなった、ミスが目立つ
・表情が乏しくなり、口数が減る

家庭・プライベート

・人との付き合いが億劫になり家に引きこもりがちになる
・服装や身だしなみがだらしなくなる
・小さな事でイライラや考え込むようになり人に当たるようになる

家族や職場の人にこのような症状が感じられるときは、本人が気づいていないうちに日々ストレスを溜め込んでいるかもしれません。
その場合、周囲の人々が一刻も早く気づきを促してあげることがストレス社会を生きる私たちには非常に重要な課題となるでしょう。

無自覚のストレスは「ストレスチェック」で発見できる!

無自覚ストレスを蓄積していかないためには、自身のストレス状態がどの程度なのか把握する必要があります。
そのために最も身近で簡単に行えるのがストレスチェックであり、年に一度のストレスチェック実施を有効活用することをおススメします。

ストレスチェックとは

ストレスチェックは、従業員が常時50人以上の従業員がいる事業場で実施が義務化されています。
労働者自身のストレスの気づきを促し、職場環境改善へ繋げることで労働者のメンタルヘルス不調を未然に防ぐことが目的とされています。
ストレスチェック実施後、ほとんどの人が結果を見るだけで終わっていませんか。
実施後に受検者本人だけでなく、企業での施策(相談窓口や面接など)や対策がきちんと理解・周知され実行していくことで本来のストレスチェックの意義があると言えるでしょう。

ストレスチェックでわかること

ストレスチェック結果で特に注目すべきポイントは、自分がどういった面にストレスを強く感じているかに、気づくことです。
個人結果は、以下の内容から構成されています。

■仕事のストレス要因(目に見えないストレス)■

⼼理的な仕事の負担(量)
⼼理的な仕事の負担(質)
⾃覚的な⾝体的負担度
職場の対⼈関係でのストレス
職場環境によるストレス
仕事のコントロール度
あなたの技能の活⽤度
あなたが感じている仕事の適性度
働きがい

■心身の反応(身体や心に表れるストレス)■

活気
イライラ感
疲労感
不安感
抑うつ感
⾝体愁訴

■周囲のサポート(目に見えないストレス)■

上司からのサポート
同僚からのサポート
家族や友⼈からのサポート
仕事や⽣活の満⾜度

図(※点数はサンプルです)

図のように領域ごとに点数化することで自身のストレス度合を可視化し、把握することが出来るのがストレスチェックの利点だと考えられます。
また他にも、ストレスチェック判定図では、他の企業と会社全体、自分の部署を比較することが可能になり、どの分野ベースで職場環境改善を行うべきか、優先度の判断材料にもなります。

まとめ

私たちの身近にはさまざまなストレス要因があり、自分では気づかないうちにストレスを溜め込んでしまう人が多くいます。
ストレスを溜め込まない一番のポイントは、自らのストレスに気づくことです。
そのためには、ストレスチェック実施を有効活用しましょう。
ストレス自覚しているのと無自覚なのとでは自身のストレスのコントロール度合が異なり、仕事やプライベートの満足度も変わってくるでしょう。
もしも気づくことが難しい場合は、周囲の人が気づきを促してあげましょう。
今一度ストレスチェック結果を見直してみませんか。

DL
ABOUT ME
【アナリスト】押切 愛里
前職で一緒に働いていた上司や同僚がメンタルヘルスに陥っている状況で私自身「改善する方法はないか」「何かしらサポートしたい」と思い、現在は「職場環境改善に効果的な情報」や「ストレスチェック結果から判明した最新情報」を中心に分析・発信しています。今後も多くの人がいきいきと元気に働ける職場づくりをモットーに役立つ情報をお届けします