誰しも一度くらいは、朝起きるのがつらい……と感じた経験があるのではないでしょうか。
前日に夜更かしをしてしまった、というように原因が明らかであればまだよいのですが、なかには病気が原因で起きられなくなっている可能性もあります。
そこで本記事では、朝起きられなくなってしまう原因と、その対策方法についてご紹介いたします。
朝起きられない原因はストレスにある?
仕事をしていると、当たり前ですが時にはストレスを感じることもありますよね。
そのストレスを原因として発症する病気が、質の良い睡眠を妨げ、起床困難を引き起こしているのかもしれません。
そのため、あまりにも起きられない状況が続く場合は一度病気を疑ってみることも必要かもしれません。
以下に起床困難が生じる病気についてご紹介します。
自律神経失調症
不規則な生活習慣やストレスなどが原因で、自律神経が乱れることにより起こるさまざまな不調のことを自律神経失調症といいます。
症状としては、頭痛や吐き気、めまい、倦怠感などがありますが、睡眠障害が起こることもあります。
起立性調節障害
自律神経のバランスが崩れることが原因で発症する病気は、自律神経失調症のほかにも、起立性調節障害があります。
思春期の子どもに多い病気なのですが、ストレスの多い環境下では大人でも発症することがあります。
症状としてはめまいや立ちくらみ、場合によっては失神に至ることもあり、特に午前中に症状が強く出るため、起床困難が生じます。
しかし、午後になると比較的症状が落ち着くことが多いため、周囲からは「怠けている」と捉えられてしまい、誤解によるストレスが更に症状を悪化させてしまうこともあります。
適応障害
生活環境に変化があった際に発症しやすいとされているのが適応障害です。
社会人のライフステージで考えると、就職や転職、昇進や結婚などがあり、新しい環境に適応しなくては……と思いつつも、なかなか思い通りにいかないという焦りがストレスの原因と考えられています。
症状としては、不安感や抑うつ感、食欲不振、全身の倦怠感、不眠などです。
おすすめのストレス対策とは?
企業としては従業員が前述のような病気になってしまう前に、なんとか予防したいですよね。
以下に企業が取り組める4つの対策についてご紹介します。
ストレスチェックを実施する
常時雇用する労働者が50名以上の企業では1年に1回ストレスチェックを実施されていると思います。
ストレスチェックの中には、からだやこころにどれだけストレスを感じているかはもちろん、きちんと眠れているかについても聞く設問があります。
そのため、従業員は個人結果を見て自らのストレス状況を把握しセルフケアに役立てることができますし、企業側は集団分析から組織の状況を把握し、必要な対策を取ることで従業員の不調を未然に防ぐことが可能となります。
上司との定期的な面談を実施する
従業員の身近にいて業務状況などを把握している上司が定期的に面談の場を設けることもおすすめです。
従業員に対して悩んでいることや気になること、聞いてほしいことがないかなど、幅広い対話の中でコミュニケーションを取りながらストレス状況を把握することで、そこから得た情報から、不調を未然に防ぐ対策を取ることが可能となります。
相談窓口を設置する
上司になかなか相談しづらい……という人もいるかもしれません。
そういった場合に備えて、相談窓口を設置しておくのもおすすめです。
特に社外相談窓口の場合、メンタル面やフィジカル面に強い相談員に対応してもらえることもあるため、的確なアドバイスや対応が従業員の安心感にもつながるでしょう。
まとめ
KDDI株式会社が2018年に発表した「新社会人の不安と起床に関する意識調査」によると、新社会人の約3人に2人が毎朝しっかり起きられるかどうか、不安に感じているという結果が出ています。
加えて、昔の新社会人にくらべて今の新社会人は新生活において不安に感じることが多い傾向であることも示されており、ストレスを抱えやすくなっていることも伺え、特に注意が必要な層であると言えるでしょう。
しかし、新社会人以外の従業員も当たり前ですが同様にリスクを抱えていますので、今回の記事を参考に、会社として従業員が健康でいきいきと働ける取り組みを行ってみてはいかがでしょうか。
よくある質問(Q&A)
Q:朝起きられないのは、単なる怠けではなくストレスが原因のこともありますか?
A: はい、その可能性は十分にあります。ストレスによって自律神経が乱れると、質の良い睡眠が妨げられ、起床困難を引き起こすことがあります。特に「自律神経失調症」や「適応障害」などの病気が隠れている場合、本人の意志だけではコントロールできない不調として現れます。
Q:大人が「朝起きられない」場合に考えられる病気にはどのようなものがありますか?
A: 主に以下の3つが挙げられます。
- 自律神経失調症: ストレス等で自律神経が乱れ、睡眠障害や倦怠感が生じます。
- 起立性調節障害: 思春期に多い病気ですが、過度なストレス環境下では大人でも発症します。特に午前中に症状が強く出ます。
- 適応障害: 就職・転職・昇進など環境の変化に適応できず、不眠や抑うつ感、全身の倦怠感が生じます。
Q:「起立性調節障害」が周囲に誤解されやすいのはなぜですか?
A: この病気は午前中に強く症状が出ますが、午後になると落ち着くことが多いため、周囲からは「怠けている」「夜更かしのせいだ」と誤解されがちです。その誤解によるストレスが、さらに症状を悪化させるという悪循環に陥ることもあります。
Q:従業員の「朝起きられない」不調を未然に防ぐため、企業ができる対策は?
A: 記事では以下の3つの対策を推奨しています。
- ストレスチェックの実施: 個人のセルフケアだけでなく、集団分析により組織の課題を把握し、職場環境の改善につなげます。
- 上司との定期面談: 身近な上司が業務状況や悩みを把握することで、不調のサインを早期に発見できます。
- 相談窓口の設置: 社内だけでなく社外の専門家(保健師等)に相談できる窓口を設けることで、従業員の安心感につながります。
Q:朝起きられない不調を感じた際、まず本人は何から始めるべきですか?
A: まずは自身のストレス状況を客観的に把握することが第一歩です。会社のストレスチェック結果を見直したり、睡眠の記録をつけたりしてみましょう。また、本記事で紹介した「自律神経失調症」や「適応障害」などの症状に心当たりがある場合は、早めに専門医や社内の産業保健スタッフ、または外部の相談窓口へ相談することをお勧めします。
監修:根本裕美子(ドクタートラスト ストレスチェック研究所コンサルタント/保健師)
<参考>
KDDI株式会社「新社会人の不安と起床に関する意識調査」

