ストレスチェックの実施後、「高ストレス者」と判定された従業員の対応に悩まれたことはありませんか。
ストレスチェックは実施すること自体が目的ではなく、その結果をもとに従業員の心身の健康を守り、職場環境の改善につなげることが本来の目的です。
しかし実際には、面接指導の案内をしても申出につながらないケースや、人事担当者・上司がどのように声をかければよいかわからず対応に苦慮するケースも少なくありません。
そこで重要になるのが、従業員が安心して利用できる「相談窓口」の存在です。
今回は、高ストレス者への対応における相談窓口の役割や、利用されやすい相談窓口のポイントについてご紹介します。
ストレスチェックは「判定後」が本当の始まり
ストレスチェックでは、高ストレスと判定された従業員に対し、希望があれば医師による面接指導を受ける機会が設けられています。
一方で、以下のようなケースも少なくありません。
- 面接指導の申出が少ない
- 社内の人間は相談しづらい
- 不調を抱えたまま働き続けてしまう
高ストレスと判定されたからといって、すぐに面接指導を申し出られる方ばかりではありません。
「まだ相談するほどではない」「会社に知られたくない」と感じ、一人で悩みを抱え込んでしまう方もいます。
そのような方を支えるためにも、気軽に相談できる相談窓口を整備しておくことが重要です。
なぜ相談窓口が必要なのか
(1)面接指導だけでは不安を拾いきれない
医師による面接指導は重要な制度ですが、利用するためには本人からの申出が必要です。
しかし、以下のような理由から、申出をためらう方も少なくありません。
- 人事に知られたくない
- 評価や配置に影響するのではないかと不安
- 自分ではまだ大丈夫だと思っている
その結果、不調を抱えたまま業務を続け、症状が悪化してしまう可能性もあります。
相談窓口があることで、以下のように従業員が一人で抱え込まずに済む環境を整えることができます。
- 早い段階で相談できる環境をつくる
- 気軽に話を聞いてもらえる
- 自分の状況を整理できる
- 必要に応じて面接指導や医療機関の受診につながる
早い段階で相談できる体制は、不調の重症化を防ぐためにも重要な役割を果たします。
(2)相談窓口が機能していないと起こりやすいこと
相談窓口が十分に機能していない場合、高ストレス者が孤立し、不調を抱えたまま働き続けてしまう恐れがあります。
その結果、以下のようなリスクも考えられます。
- メンタル不調の長期化
- 休職や離職につながる
- 「相談できる場所がなかった」という従業員の不満につながる
そのため、相談窓口は設置するだけではなく、「利用しやすい仕組み」であることが大切です。
利用されやすい相談窓口の3つの共通点
(1)専門職が対応する
相談窓口では、保健師や公認心理師などの専門職が対応することで、従業員も安心して相談しやすくなります。
また、専門的な知識をもとに状況を整理し、必要な支援につなげられる点も大きなメリットです。
(2)相談方法を選べる
相談しやすいと感じる方法は、人それぞれ異なります。
電話で話したい方もいれば、まずはメールで相談したい方、顔を見ながらオンラインで相談したい方もいます。
そのため、電話/メール/オンライン面談など、複数の相談方法を用意することで、利用しやすい相談窓口につながります。
(3)匿名性・守秘性が確保されている
相談内容がそのまま会社へ伝わるのではないかという不安から、相談をためらう方も少なくありません。
安心して利用してもらうためには、守秘性や情報の取扱いについて明確にし、従業員が安心して相談できる環境を整えることが重要です。
外部相談窓口という選択肢
社内相談窓口は気軽に利用できる反面、顔見知りだから相談しづらかったり、人事に内容が伝わるのではないかと不安な思いをしたり、専門的な対応が難しいといった課題もあります。
そのため近年では、社外の専門機関による外部相談窓口を導入する企業も増えています。
専門職が第三者の立場で対応することで、従業員が安心して相談しやすい環境づくりにつながります。
ドクタートラストの外部相談窓口「アンリ」の特徴
ドクタートラストでは、外部相談窓口・EAPサービス「アンリ」を提供しています。
アンリでは、電話・メール・オンライン面談の中から、ご自身が相談しやすい方法を選択することができます。また、保健師や公認心理師、精神保健福祉士、管理栄養士、保育士などの専門職が対応するため、一人ひとりの状況に応じたサポートを受けることが可能です。
さらに、アンリの特徴の一つは、相談者の同意を得たうえで、相談内容を匿名性に配慮しながら報告書を通して企業へフィードバックできる点です。
相談内容を開示できる範囲で企業担当者へ共有することで、個人への配慮だけでなく、「同様の相談が複数寄せられている」「特定の部署で共通する課題がある」といった職場全体の傾向を把握し、職場環境改善にも役立てることができます。
相談者と企業の双方を支援し、継続的なメンタルヘルス対策につなげられることも、アンリの大きな特長です。
まとめ
ストレスチェックは、高ストレス者を判定することが目的ではありません。
重要なのは、その後に安心して相談できる環境を整え、必要な支援につなげていくことです。
相談窓口は、従業員が一人で悩みを抱え込まないための大切な仕組みであり、企業にとっても職場環境改善やメンタルヘルス対策を進めるうえで重要な役割を果たします。
高ストレス者へのフォロー体制を見直す機会として、外部相談窓口の活用についてもぜひご検討ください。
従業員が安心して相談できる環境づくりが、職場全体の健全な成長につながります。
よくある質問(Q&A)
Q1. なぜ、高ストレス者に相談窓口が必要なのですか?
医師による面接指導は、本人からの申出がなければ利用できません。しかし「人事に知られたくない」「評価に影響するのでは」といった不安から申出をためらう方も多く、面接指導だけでは不調を拾いきれないケースがあります。相談窓口があることで、早い段階から気軽に相談できる環境を整えることができます。
Q2. 相談窓口が機能していないと、どのような問題が起こりますか?
高ストレス者が孤立し、不調を抱えたまま働き続けてしまう恐れがあります。その結果、メンタル不調の長期化、休職や離職、「相談できる場所がなかった」という従業員の不満につながるリスクも考えられます。
Q3. 利用されやすい相談窓口には、どのような共通点がありますか?
主に3つの共通点があります。①保健師や公認心理師などの専門職が対応すること、②電話・メール・オンライン面談など複数の相談方法を選べること、③匿名性・守秘性が確保されていることです。
Q4. 社内窓口ではなく、外部相談窓口を選ぶメリットは何ですか?
社内相談窓口は、顔見知りだから相談しづらい、人事に内容が伝わるのではという不安から利用が敬遠されやすい面があります。外部相談窓口では、専門職が第三者の立場で対応するため、従業員がより安心して相談しやすい環境になります。
Q5. 外部相談窓口「アンリ」の特徴は何ですか?
電話・メール・オンライン面談から相談方法を選べ、保健師や公認心理師、精神保健福祉士、管理栄養士、保育士などの専門職が対応します。また、相談者の同意を得たうえで、匿名性に配慮しながら報告書を通して企業へフィードバックできる点も特徴です。個人への配慮と、職場全体の傾向把握の両方に役立ちます。
監修:市川 さくら(株式会社ドクタートラスト 公認心理師)

