ストレスチェックの目的は、従業員自身がストレスの状態に気づき、メンタルヘルス不調を未然に防ぐこと、そして集団分析を活用して職場環境の改善につなげることにあります。
そのため、ストレスチェックの結果を見る際には、「高ストレス者率」や「健康リスク」といった指標に注目する企業が多いでしょう。
もちろん、これらは職場環境を把握するうえで重要な指標です。
しかし、ストレスチェックには、それ以外にも組織づくりに役立つ多くの情報が含まれています。
ドクタートラストのストレスチェックサービスでは、より良い職場づくりに活用していただくため、「仕事の満足度分析」を提供しています。
仕事の満足度は、人材の定着やエンゲイジメント向上のため、多くの企業が関心を寄せるテーマの一つです。今回は、ドクタートラストの「仕事の満足度分析」で何がわかるのか、どのように結果を読み取り、職場改善に活かしていくのかをご紹介します。
なぜ「仕事の満足度」を分析するのか
少子高齢化による人材不足が進む中、新しい人材を採用するとともに、「今いる従業員に長く活躍してもらうこと」が企業の成長に欠かせません。
離職理由として思い浮かぶのは給与や待遇かもしれません。
しかし、実際には、以下のような働く環境に関する理由も数多くあります。
- 仕事にやりがいを感じられない
- 上司との関係がうまくいかない
- 自分の能力を発揮できない
- 業務量が多く疲弊している
これらはストレスチェックで測定している項目とも深く関係しています。
従業員が「この会社で働き続けたい」「この仕事にやりがいを感じる」と思える職場づくりこそが、人材定着につながります。
そのために重要なのが、「仕事の満足度」という視点なのです。
満足度は「結果」であり、「原因」ではない
仕事の満足度分析で最初に目に入るのは、「仕事の満足度がどれくらいだったか」という数字でしょう。
しかし、その数字だけでは改善策は見えてきません。
たとえば、ある部署で仕事の満足度が低かったとしても、以下のようなそれぞれの理由次第で必要な対策はまったく異なります。
- 業務量が多すぎるためなのか
- 上司とのコミュニケーションが不足しているためなのか
- 働きがいを感じられないためなのか
- 能力を十分に発揮できていないためなのか
つまり、仕事の満足度はあくまで「結果」であり、着目すべきはその結果を生み出している「原因」です。
ドクタートラストの「仕事の満足度分析」とは?
ドクタートラストの仕事の満足度分析では、ストレスチェックの回答結果を活用し、仕事の満足度と各項目との関連性(相関)を分析しています。
相関分析とは、「ある項目の評価が高くなると、仕事の満足度も高くなる傾向があるか」を統計的に確認する分析手法です。
具体的には、以下のようなストレスチェックで測定している各尺度(項目)について、「仕事の満足度」とどの程度関係しているかを分析します。
- 技能の活用
- 上司からのサポート
- 同僚からのサポート
- 仕事のコントロール
- 仕事の量的負担
たとえば、「上司からのサポート」と「仕事の満足度」との相関が強い場合、上司の関わり方やマネジメントが、仕事の満足度と強く関連している可能性があります。
一方、「仕事の量的負担」との関連が強ければ、業務量や人員配置などが仕事の満足度と関連している可能性があります。
このように、仕事の満足度とどのような項目が関連しているのかを把握できることが、この分析の特徴です。
ただし、相関分析は「関連性」を示すものであり、「原因と結果」を断定するものではありません。そのため、分析結果は現場の状況や組織の実態とあわせて解釈することが重要です。
加えて、相関分析だけでは、「どこから改善すべきか」はまだ判断できません。
たとえば、「上司のサポート」が仕事の満足度と最も強く関連していたとしても、多くの従業員がすでに「上司からのサポートは得られている」と回答しているのであれば、そこは組織の強みであり、改善の優先度はそれほど高くないかもしれません。
そこでドクタートラストでは、各項目について最も良好な回答をした人の割合もあわせて分析しています。
つまり、以下の2つの視点を組み合わせているのです。
- 仕事の満足度との関連性(相関)が強いこと
- 最も良好な回答をした人の割合が低いこと
この分析により、「仕事の満足度との関連性が強く、かつ改善の余地がある項目」を抽出し、ランキング化して可視化しています。
分析結果はどのように読み取るのか
分析結果を見る際には、「順位」だけを見るのではなく、「なぜその項目が上位になったのか」を考えることが重要です。
たとえば、「上司からのサポート」が上位に挙がっている場合は、管理職のコミュニケーションや部下への支援が、仕事の満足度向上の鍵になる可能性があります。
この場合、管理職研修や1on1ミーティングの充実などが改善策として考えられるでしょう。
一方、「仕事の量的負担」が上位であれば、業務配分や人員配置、業務効率化などを優先的に検討する必要があるかもしれません。
また、「技能の活用」が上位であれば、従業員が自分の知識や経験を十分に発揮できていない可能性があります。
配置転換やキャリア面談、教育機会の充実などが有効な施策となるでしょう。
このように、分析結果は「課題を指摘するため」のものではなく、具体的な改善策を考えるためのヒントとして活用することが大切です。
仕事の満足度という視点から分析することで、「従業員が働き続けたいと思える職場づくり」にも活用することができます。
ストレスを減らすというマイナスの改善だけではなく、従業員がやりがいや働きやすさを感じられる環境をつくるというプラスの視点を持つことで、離職防止やエンゲイジメント向上にもつながります。
ストレスチェックを「実施して終わり」にするのではなく、その結果を組織改善へとつなげるための一つの手法として、「仕事の満足度分析」を活用してみてはいかがでしょうか。
よくる質問(Q&A)
Q1. ストレスチェックの「仕事の満足度分析」とは何ですか?
ドクタートラストが提供する分析で、ストレスチェックの回答結果を活用し、仕事の満足度と各項目との関連性(相関)を分析するものです。技能の活用、上司からのサポート、同僚からのサポート、仕事のコントロール、仕事の量的負担など、ストレスチェックで測定している各尺度について、仕事の満足度とどの程度関係しているかを明らかにします。
Q2. なぜ「仕事の満足度」を分析する必要があるのですか?
少子高齢化による人材不足が進む中、今いる従業員に長く活躍してもらうことが企業の成長に欠かせないためです。離職理由には給与や待遇だけでなく、やりがいの実感や上司との関係、能力発揮の機会など働く環境に関する理由も多く、これらはストレスチェックの測定項目と深く関係しています。
Q3. 仕事の満足度の数値だけを見れば改善策はわかりますか?
わかりません。仕事の満足度はあくまで「結果」であり、着目すべきはその結果を生み出している「原因」です。同じように満足度が低い部署でも、業務量の多さが原因なのか、上司とのコミュニケーション不足が原因なのかによって、必要な対策はまったく異なります。
Q4. 相関分析だけで改善の優先順位はわかりますか?
わかりません。相関が強い項目でも、すでに多くの従業員が良好と回答していれば組織の強みであり、改善の優先度は高くない可能性があります。そのためドクタートラストでは、満足度との相関の強さと、良好な回答をした人の割合の低さという2つの視点を組み合わせ、改善余地のある項目をランキング化しています。
Q5. 分析結果はどのように職場改善に活かせますか?
上位に挙がった項目の背景を考えることで、具体的な施策につなげられます。たとえば「上司からのサポート」が上位であれば管理職研修や1on1ミーティングの充実、「仕事の量的負担」であれば業務配分の見直し、「技能の活用」であれば配置転換やキャリア面談などが改善策として考えられます。

