ストレスチェックで高ストレスと判定され、医師による面接指導が必要とされた場合、本人の希望により医師による面接指導を受けることができます。
面接指導では、労働者が安心して話せるよう、プライバシーと安全性に配慮した環境づくりが重要です。
本記事では、面接指導に適した場所・避けるべき場所を、厚生労働省のガイドラインをもとに解説します。
面接指導にはどんな方法があるの?
医師による面接指導には、2つの方法があります。
対面実施
医師と直接会って面談を実施します。
オンライン実施
情報通信機器(パソコンやスマートフォン等)を用いて面談を実施します。
以下のすべての要件を満たし、事前に衛生委員会で話し合い、周知することが必要です。
① 面接指導を行う医師と労働者とが相互に表情、顔色、声、しぐさ等を確認できるものであって、映像と音声の送受信が常時安定しかつ円滑であること。
出所:厚生労働省令和2年11月19日付け基発1119第2号「情報通信機器を用いた労働安全衛生法第66条の8第1項及び第66条の10第3項の規定に基づく医師による面接指導の実施について(PDF)」
② 情報セキュリティ(外部への情報漏洩の防止や外部からの不正アクセスの防止)が確保されること。
③ 労働者が面接指導を受ける際の情報通信機器の操作が、複雑、難解なものでなく、容易に利用できること。
ただし、面接指導を実施する医師が必要と判断する場合は、対面での実施に切り替えることがあります。
面談環境づくり
厚生労働省は、ストレスチェック後の面接指導の場所の選定について、下記のとおり示しています。
面接指導を実施する場所については、秘密が厳守されるよう配慮する必要があります。周囲の目を気にせず、リラックスして受けることができる場所を選びましょう。事業場外で実施する場合も、業務に支障をきたさないよう、事業場から遠くない場所を選定しましょう。閉鎖性のあまりにも高い場所は、トラブルの誘因となる可能性があり推奨できません。
出所:厚生労働省「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアルー面接指導の具体的な進め方と留意点」
密室すぎず、オープンすぎず、プライバシーと安全性のバランスが取れた場所で行うことが大切です。
望ましい場所の例
- 会社内の会議室、健康管理室、応接室など
- 周りの目が気にならない、安心して面接指導を受けられる場所
- 職場からあまり離れていない場所
話の内容が漏れにくく、完全防音ではないため、プライバシーを保つことができます。
鍵をかけない運用にすることで、必要時に第三者が入室できることから安全性も確保できます。
また、職場内で移動が容易なため、対象者の負担になりにくいです。
避けるべき場所
施錠された密室、窓がなく内部の様子がまったくわからない部屋、音がまったく漏れない防音性の高い部屋など
閉鎖性がとても高い場所
このような場所の場合、第三者が状況を確認できず、ハラスメントやトラブルのリスクが高まります。
極端に職場から離れた場所
移動時間が長く、業務に支障をきたす可能性があります。
また、緊急時の安全確保の観点から職場から遠く離れた場所は避けるのが望ましいです。
個人宅(対面面談の場合)
プライバシーの保護やトラブル回避のため、私的空間は避けましょう。
※普段在宅勤務の方が自宅でオンライン面接指導を受ける場合は、いつもと変わらない環境のため、面接指導希望者の緊張をほぐすメリットがあると考えられます。
まとめ
ストレスチェック後の面接指導では、労働者が安心して話せる環境を整えることが重要です。
対面・オンラインいずれの場合も、 プライバシーと安全性の両立を意識した環境づくりが求められます。
面接指導を申し出ることに、とても勇気が必要な方もいるかと思います。
面接指導を受けやすい環境を整え、従業員の心身の健康維持に努めましょう。
<参考>
厚生労働省「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアルー面接指導の具体的な進め方と留意点」
よくある質問(Q&A)
Q1. 面接指導はオンラインで実施できますか?
A. できます。情報通信機器(パソコンやスマートフォン等)を使ったオンライン面接指導が認められています。ただし、映像・音声が安定して送受信できること、情報セキュリティが確保されること、操作が容易であることの3要件をすべて満たす必要があります。また、事前に衛生委員会で審議し、労働者に周知することも必要です。
Q2. 面接指導は必ず受けなければなりませんか?
A. いいえ、面接指導は労働者本人の希望による任意のものです。高ストレスと判定されても、本人が希望しない場合は面接指導を受ける義務はありません。ただし、心身の健康維持のために、積極的に活用することが推奨されます。
Q3. 面接指導の場所に個人宅を使うことはできますか?
A. 対面面接指導の場合、個人宅はプライバシーの保護やトラブル回避の観点から避けることが推奨されています。ただし、普段在宅勤務の方がオンライン面接指導を受ける場合は、いつもと変わらない環境のため緊張をほぐす効果が期待でき、一概に不適切とはいえません。
Q4. 防音性の高い部屋は面接指導の場所として適していますか?
A. 完全防音の部屋や施錠された密室は、第三者が状況を確認できないため、ハラスメントやトラブルのリスクが高まる可能性があり推奨されません。厚生労働省のガイドラインでも「閉鎖性のあまりにも高い場所はトラブルの誘因となる可能性がある」と示されています。
Q5. 事業場の外で面接指導を行う場合の注意点はありますか?
A. 事業場外で実施する場合も、業務に支障をきたさないよう職場からあまり離れていない場所を選ぶことが推奨されています。移動時間が長くなると対象者の負担になるほか、緊急時の安全確保の面からも、職場に近い場所が望ましいとされています。


