研究レポート

若年層の退職を予防するためのポイントとは?

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今春、新卒社員を迎える企業さまでは、受け入れに向けた準備をなさっている頃でしょう。
同時にそんな新卒社員たちに「いきいきと輝きながら働いてほしい」と人事担当や上司の方々はもちろん、新卒社員自身も含め、誰もが願っていることではないでしょうか。
しかし、新卒社員に関する調査結果を見てみると、厳しい現状が浮かび上がってきます。
今回はせっかく採用した人材がなかなか定着しないとお悩みの企業さまに、若年層の退職を予防するためのポイントをお伝えします。

大卒新入社員3年以内の退職率は31.2%

大卒新入社員は3年以内に31.2%が退職する――

冒頭から衝撃的な数値をお示ししました。
これは厚生労働省「令和2年度新規学卒就職者の就職後3年以内の離職状況」から判明したことですが、なんと新卒3年以内の3人に1人が早期退職をしています。
また、就職みらい研究所「就職白書2019」によると、新卒採用には、1人当たり72.6万円(2018年度)のコストがかかっており、せっかく採用した若手が早期退職してしまうことがどれだけ企業にダメージをもたらすか、理解いただけるでしょう。
新卒社員の主な退職理由は下記のとおりです。「労働条件が良くなかった」「賃金条件が良くなかった」など、一般的に多く該当しがちな理由がある中で、注目すべきものが2つあります。
それが、「人間関係が良くなかった」「仕事が上手くいかず自信を失った」です。
新たな環境にまだ慣れてない新卒社員に特有の退職理由と言えるでしょう。
「労働条件が良くなかった」「賃金条件が良くなかった」は現実的に即時対応が難しい面もありますが、人間関係の構築や自信を付けさせることは、企業として取り組むことが可能な部分と考えられます。
さらに、これらの課題に取り組むことは退職予防のみならず、若年層の生産性向上にもつながることが、ストレスチェックデータから見えています。

「人間関係」や「自信」は20代のワーク・エンゲイジメントとの相関が強い!

上記は、2020年度ドクタートラストでストレスチェックを実施した約24万人のデータから、20代のワーク・エンゲイジメントと相関の高い尺度を示しています。
人間関係についての尺度(職場の一体感、上司からのサポート)や、自信や自己肯定感の向上につながる尺度(成長の機会、ほめてもらえる職場)といった、不足すると退職を考え始める要因となるものが多く入っていることがわかります。
つまり、退職理由となる課題の改善は退職を予防するだけではなく、20代のワーク・エンゲイジメントを上げ生産性を高める、一石二鳥の効果を生む取り組みであるといえます。

ドクタートラストのセミナーでさらに詳しく解説!

社会人として希望や不安など、さまざまな思いを抱きながら働き始める新卒社員に最も影響を与える存在は、やはりその組織やチームの管理職の方です。
そして、管理職の方こそが、新卒社員の退職予防とワーク・エンゲイジメント向上の鍵を握っています。
ドクタートラストではオンラインセミナーを行っており、「20代の退職予防や生産性向上にはどんなことが影響しているのか」「退職予防や生産性向上に向け管理職としてどんな働きかけを行えばよいか」などの内容を専門職がわかりやすく解説します。
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DL

<参考>
厚生労働省「令和2年度新規学卒就職者の就職後3年以内の離職状況」
就職みらい研究所「就職白書2019」

ABOUT ME
【シニアコンサルタント】倉科 彩香
【保有資格】健康経営エキスパートアドバイザー 【コメント】前職ではやりがいはあったものの、長時間労働が当たり前の環境で働く中で、ワークライフバランスについて考えるようになりました。今では健康経営エキスパートアドバイザーとして、ストレスチェック結果を活用した職場環境改善に取り組む企業のコンサルティングや、各種セミナー等を行っております。これまでの学びをもとに「健康でいきいきと働く人」を世の中に増やすために役立つ情報をお伝えします。