職場の雰囲気がなんとなくギスギスしていたり、業務の進行にどこかモヤモヤを感じていたりすると、「どこに問題があるのか?」と考えますよね。
もちろん、こうした課題の把握は組織改善において欠かせないステップです。
しかし、ときには視点を変えてみることで、より前向きで実効性のあるアプローチが見つかるかもしれません。
今回は心理療法の一つであるソリューションフォーカストアプローチ(Solution Focused Approach)、つまり「解決志向アプローチ」という方法をご紹介します。
これは「何が悪いか」ではなく、「何がうまくいっているか」に注目するアプローチです。
問題を深掘りするのではなく、解決に焦点を当てることで、組織にポジティブな変化をもたらす力があるとされています。
まずは、この解決志向アプローチを取り入れるにあたって3つの重要な考えがあるので、一つずつ見ていきましょう。
1.うまくいっていることは、無理に変えるな
私たちは何かを良くしたいとき、新しいやり方や革新的なツールを導入したくなります。
しかし、すでにうまく機能していることまで変えてしまうと、かえって混乱を招いてしまうでしょう。
たとえば、既存の方法でスムーズに業務を進めているのであれば、それを無理に変える必要はありません。
現場の声に耳を傾け、「今のやり方で成果が出ているなら、それを維持する」という選択も大切なのです。
変化を求めること自体は悪いことではありませんが、「変えない勇気」もまた、効果的なマネジメントの一部だといえるでしょう。
2.うまくいっていることは、もっと増やそう
問題が発生したとき、私たちはついダメなところや直すべきことに目が向きがちです。
しかし、解決志向アプローチでは、「今、何がうまくいっているか」を見つけ出し、それを広げていくことに注目します。
たとえば、ある社員が効率的な方法で業務を進めているなら、そのやり方をチーム全体に共有することで生産性が底上げされる可能性があります。
また、チームメンバー同士が自然とサポートし合っている場面を見つけたときに「それ、すごくいいね!」と意識的に評価していけば、その文化が根付くきっかけになるでしょう。
一人ひとりの良いこと・良いところを強化するのは、単に個人の成長を促すだけでなく、職場全体にポジティブな循環をもたらすカギになります。
3.うまくいかないことは、やり方を変えてみよう
同じやり方で何度も失敗を繰り返してしまう、そんな経験は誰にでもあるのではないでしょうか?
解決志向アプローチでは、うまくいかない方法を続けるのではなく、何かまったく新しい別の方法を試すことが大事だと考えます。
たとえば、「会議が長くて生産性が下がっている」と感じているなら、以下のような新しい工夫が考えられます。
このような「今までにない方法」を試すことで、改善の一歩につながるかもしれません。
まとめ
ここまで、解決志向アプローチの考え方を3つ紹介しました。
これらの考え方を取り入れることで、職場に「問題解決」ではなく「成功の再現と拡大」という前向きな空気を作ることができるかもしれません。
問題を深く掘り下げることも時には必要ですが、そればかりでは職場の雰囲気がネガティブになりがちです。
視点を変えて、うまくいっていることに注目する。そんな小さな意識の転換が、働きやすい職場づくりの第一歩になるかもしれません。
