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ジョブ・クラフティングで自分自身の働きがいを高めよう!

最終更新日 2023-04-13

皆さんは日々仕事を行うなかで、「退屈な作業だな……」「やらされ感があるな……」と感じたことはありませんか?
しかし、そんな仕事にちょっとした工夫をすることで、「働きがい」を感じるものへと変えることができるかもしれません。
本記事ではそんな仕事に対する向き合いかたのヒントになる「ジョブ・クラフティング」において、ポイントとなる3つの視点や、期待される効果についてお伝えしていきます。

ジョブ・クラフティングとは

ジョブ・クラフティングとは、働く人自身が仕事に対する「捉えかた」や「取り組みかた」を主体的に修正していくことで、「退屈な作業」や「やらされ感」のある業務を「働きがいのあるもの」へと変えていく手法です。
従来の日本企業の多くではトップダウン形式が採用されているため、従業員は会社や上司から指示された仕事を、忠実に実行することが求められてきました。
しかし、労働人口が減少し、より一人ひとりの生産性を高めていくことが重要となった現代においては、従業員自身が目まぐるしく変わっていく環境に柔軟に対応し、主体的に考え行動する、自立型人材が求められるようになっています。
そのような背景から、ジョブ・クラフティングは注目されるようになりました。

ジョブ・クラフティングにおける3つの視点

ジョブ・クラフティングには、どのような取り組みをしていくのかを考えるうえでポイントとなる、3つの視点があります。

作業クラフティング

日々同じ仕事をしていると、マンネリ化して飽きてしまったり、やる気が低下してしまったりすることもあるでしょう。
そんな時は、いつもと違った方法で取り組んでみると、作業が進みやすくなったり、業務内容がより充実させたりすることができるかもしれません。
例えば、これまで手作業で行っていたデータ集計を、Excelのマクロを作成して行ってみるといった取り組みは、自動化による作業効率のアップと同時に、自分自身のスキルアップにもつながる一石二鳥の作業クラフティングといえるでしょう。

人間関係クラフティング

1日の大半を過ごす職場においての人間関係も、いきいき働けるかどうかに関わる非常に重要な要素です。
お互いに気軽に話せたり、困った時に頼ることができたり、自分の働きを認めてくれたりする上司や同僚がいると、どのように感じるでしょうか。
「自分の仕事には意味がある」「自分は必要とされている」という自信につながり、「もっと役に立ちたい」といった貢献意欲も生まれてくるのではないでしょうか。
そのため、お互いに心地よく豊かな職場環境を作るためにも、一緒に働く人達と日頃どのようにコミュニケーションを取るかを見つめ直すことは、大切なジョブ・クラフティングのひとつです。

認知クラフティング

そして最後は、自分の行っている業務を改めて見つめ直し、「働きがいのある仕事」へと捉えかたを変えていく認知クラフティングです。
最も有名なのは、夢の国ディズニーランドでの事例です。
パークにはいつもきれいに清掃してくれる、カストーディアルキャストがいらっしゃいますが、この方々がほうきに水をつけてキャラクターのイラストを描いているところを見かけたことはありませんか?
これがまさにジョブ・クラフティングになっています。
清掃を行うという本来の業務に留まるのではなく、仕事の意義は「ゲストを楽しませること」にあると捉えた結果、キャラクターのイラストを描くという行動が生まれ、より充実したパーク体験の演出に一役買っています。
まさに働く人自身が主体的に、より仕事を働きがいのあるものにしている事例です。

ジョブ・クラフティングで期待される効果

ジョブ・クラフティングを取り入れることで、働く人自身はもちろん、会社やチームにもさまざまな良い効果が得られます。

働く人の成長とモチベーション向上に繋がる

ジョブ・クラフティングによって自分なりの「仕事をする意義」を考えていくと、次第に自分の仕事に対する在りかたや意識が変わっていきます。
そして在りかたや意識が変化すると、目標を達成するために望ましい行動を考えて実行する行動力が高まり、目標達成へとつながっていきます。
こうした経験は、働く人に自信をもたらし、モチベーション向上に役立つでしょう。

ストレスが低下する

モチベーションが上がり、いきいき働けるようになると、仕事をすることが楽しくなっていきます。
こうした状態はストレスを低下させることにもつながります。
また、モチベーションが上がっている時に感じる働きがいや、貢献意欲といったポジティブな気持ちは、ストレスを感じるような出来事があったときに、適切に対応して乗り越えていく原動力になるでしょう。

生産性が向上する

ジョブ・クラフティングのなかには、周囲の人とのコミュニケーションの在りかたを捉え直すものもあります。
こうした取り組みをとおして人間関係が良くなっていくと、相互理解が進んでいきます。
すると、次第にお互いを信頼し、多様な考えがあるなかで「どうすればより望ましい方向へと進むことができるのか」を常に考えながら仕事を進めるようになり、結果的に生産性向上へとつながっていきます。

まとめ

与えられた仕事をただ作業のようにこなすようになると、「なぜ、何のためにこの仕事をしているのか」が分からなくなっていき、モチベーションや生産性が下がってしまいます。
そんな時は少し立ち止まって、「もっと効率的な進め方はできないか?」「一緒に働くメンバー同士、やりがいを高めるような声かけをしてみたらどうか?」「この仕事はどんなことに役に立っているのか?」など、自分たちの業務を見つめ直してみると新たな発見があるかもしれません。
ぜひ皆さんの仕事のなかにも、「ジョブ・クラフティング」を取り入れてみていただければと思います。
DL

執筆者

【シニアコンサルタント】倉科 彩香
【シニアコンサルタント】倉科 彩香
【保有資格】健康経営エキスパートアドバイザー
【コメント】前職ではやりがいはあったものの、長時間労働が当たり前の環境で働く中で、ワークライフバランスについて考えるようになりました。今では健康経営エキスパートアドバイザーとして、ストレスチェック結果を活用した職場環境改善に取り組む企業のコンサルティングや、各種セミナー等を行っております。これまでの学びをもとに「健康でいきいきと働く人」を世の中に増やすために役立つ情報をお伝えします。

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