職場環境最優良法人2025
【回答者数50人以上100人以下部門】
VeBuIn株式会社さま
ドクタートラストのストレスチェックサービスでは、集団分析結果をもとに職場の雰囲気を数値化した独自指標「TRUSTY SCORE」(職場環境指数)を算出、上位法人を職場環境優良法人として表彰しています。
今回は、2025年ストレスチェックで、職場環境最優良法人(回答者数50~100人部門)を受賞したVeBuIn株式会社コーポレートデザイン部の伊藤真理さま、川島一絵さま、坂本果奈さまに、約7割をインド出身メンバーが占める多国籍組織ならではの職場づくりと、社員一人ひとりのポテンシャルを引き出すための取り組みについてお話を伺いました。
聞き手:倉科彩香(ストレスチェック研究所 コンサルタント)

産業医の斉藤医師とヘルスケアチームメンバーの皆さま
社員のポテンシャルを解放する、多国籍組織が大切にするサポートの哲学
まず、コーポレートデザイン部の役割を教えてください
伊藤さま:
コーポレートデザイン部は、一般的には管理部門やバックオフィスと呼ばれる領域にあたりますが、当社では社員一人ひとりが最大限に力を発揮できる環境を「デザインする」部門として位置づけています。「WAKE UP ONE TEAM, FULL POTENTIAL(社員のポテンシャルを解放する)」というミッションを掲げ、日々の業務に取り組んでいます。
坂本さま:
私自身は看護師として総合病院や介護施設、クリニックなど幅広い領域で経験を積んできました。ご縁があって当社に入社し、現在4年目になります。医療現場での経験を活かしながら、社員の健康面や生活面のサポートにも関わっています。
約7割がインド出身という多国籍組織ならではのコミュニケーションの工夫
VeBuInさまは組織構成が非常に特徴的なようですね
川島さま:
当社は社員約80名のうち、約7割にあたる約50名がインド出身のメンバーで構成されています。インドの大学を卒業した新卒人材が来日し、日本でキャリアをスタートするケースも多く、多様な文化背景を持つメンバーが共に働く環境です。社員の平均年齢は33歳と比較的若く、活気のある組織でもあります。
社名の「VeBuIn」は”We Build Innovation for Better Society”の頭文字を取ったもので、「より良い社会のためにイノベーションを創り出す」という想いが込められています。創業者である代表取締役がインド出身であることもあり、国籍や文化の違いを越えて多様な人材が活躍できる組織づくりを大切にしています。こうした取り組みが評価され、茨城県の外国人材受入サポート企業認証制度の認証も受けています。
具体的なメンタルヘルス対策やコミュニケーション活性化の取り組みを教えてください
伊藤さま:
まず、来日前からのサポートを大切にしています。採用決定後、来日までの6カ月〜1年ほどの期間、オンラインで顔合わせやコミュニケーションを行い、日本での生活や会社について理解を深めてもらう機会を設けています。
また、業務として日本語クラスを実施し、日本語能力試験N3取得(※)を会社の目標としています。言語面のサポートは仕事だけでなく、生活面の安心にもつながると考えています。
※日本語能力試験N3:日常的な場面で使われる日本語をある程度理解できるレベル
川島さま:
生活環境の整備も重要な取り組みの一つです。来日直後に安心して生活できるよう、会社が法人契約で社宅を用意し、日用品なども事前に準備しています。また、社内のお知らせは日本語と英語の両方で発信し、すべての社員が同じ情報を理解できる環境づくりを心がけています。
インド拠点との業務に対応するためフレックスタイム制度も導入しています。約3.5時間の時差に対応するとともに、子育て世代の社員にとっても働きやすい環境となっています。
坂本さま:
健康面のサポートについては、来日前アンケートで身体面・心理面の状態を確認し、持病がある場合は日本での医療機関と事前に連携することもあります。実際に1型糖尿病のメンバーについては、日本のクリニックと事前に連絡を取り、来日後も安心して受診できる体制を整えました。
また、定期健康診断では言語や医療制度の違いによる不安を軽減するため、初回は必ず同行し、結果についても一人ひとりと面談を行いながら丁寧に説明しています。
コミュニケーション施策についても教えていただけますか
川島さま:
月1回の誕生日イベントや日本文化イベント(書初め、節分など)を実施してきました。一方で、日本のイベントだけでなく、インドで最も大切にされている祭りの一つであるディワリ(Diwali)も会社全体で開催しています。ディワリの際には、インド出身の社員だけでなく日本人社員もインドの民族衣装を着て参加するなど、国籍を越えて文化を共有する機会となっています。こうしたイベントを通じて、お互いの文化を理解し合い、自然なコミュニケーションが生まれる環境づくりを大切にしています。現在は状況により一部休止していますが、社内でインド料理のサモサを囲む会など気軽に交流できる場も設けています。

「調査」で終わらせない、チームの強みにも目を向けるストレスチェック活用法
ストレスチェックの集団分析はどのように活用されていますか
伊藤さま:
当社では、ストレスチェックの結果をチームごとに集計・分析し、各プロジェクトマネージャーへフィードバックを行っています。フィードバックの際には、評価が低かった項目だけでなく、評価が高かった項目にも注目することを意識しています。チームの強みや良い状態にあるポイントを共有することで、職場の良い文化を維持・強化していくことを大切にしています。
また、高ストレスと判定された社員には産業医面談を案内し、必要に応じて専門的なサポートにつながる体制を整えています。ストレスチェックを単なる調査で終わらせるのではなく、チームの特徴を理解し、職場環境の改善につなげるためのツールとして活用しています。
多様性が力になる組織へ
メンタルヘルスやコミュニケーションに対するお考えと、今後の展望をお聞かせください
坂本さま:
当社では、社員が安心して働くためには健康・生活・コミュニケーションのすべてが重要だと捉えています。外国籍社員の場合、言語や文化の違い、生活環境の変化など、心理的な負担が生じやすい場面もあります。そのため、仕事面だけでなく生活面や健康面も含めてサポートすることが、結果としてメンタルヘルスの安定につながると実感しています。
また、家族を帯同して来日している社員もいるため、必要に応じて家族の医療相談にも対応しています。社員が安心して働くためには、家族の安心も欠かせないからです。今後も多様なバックグラウンドを持つメンバーがそれぞれのポテンシャルを最大限に発揮できる職場環境づくりを、続けていきたいと考えています。
川島さま:
当社の特徴は、多国籍メンバーが安心して働ける環境づくりを会社全体で取り組んでいる点です。管理部門という立場ではありますが、私たちは日々、強いホスピタリティを持ってメンバーと向き合ってきました。言葉や文化の壁に直面することもありましたが、「自分たちよりも仲間の幸せを第一に」という想いを大切にしながら、一つひとつの課題に向き合ってきました。これからも、多様なメンバーが活躍できる組織づくりを大切にしていきます。

VeBuInさま、ありがとうございました!

VeBuIn株式会社
2015年4月設立。茨城県つくば市に本社を置き、インドに開発拠点を持つIT企業。「We Build Innovation for Better Society」をミッションに掲げ、受託開発事業および自社ソフトウェアの提供を展開。インドの高度IT人材を活用したハイブリッド開発体制により、高品質・短納期のシステム開発を強みとする。茨城県の外国人材受入サポート企業認証取得。
公式サイト:https://vebuin.com/