職場環境最優良法人2025
【回答者数501〜1,000人部門】
株式会社ハードオフコーポレーションさま
ドクタートラストのストレスチェックサービスでは、集団分析結果をもとに職場の雰囲気を数値化した独自指標「TRUSTY SCORE」(職場環境指数)を算出、上位法人を職場環境優良法人として表彰しています。
今回は、2025年ストレスチェックで、職場環境最優良法人(回答者数501〜1,000人部門)を受賞した株式会社ハードオフコーポレーションの田辺歩実さま(社長室)に、「圧倒的温かさ」を年度テーマに掲げる同社の組織風土と、社員一人ひとりに寄り添う職場づくりへの取り組みについてお話を伺いました。
聞き手:大沼文音(ストレスチェック研究所 コンサルタント)
「圧倒的温かさ」が年度テーマ——距離の近さが生む組織風土
まず、ハードオフコーポレーションさまの組織風土や特徴を教えてください。
田辺さま:
当社の2026年度方針のテーマのひとつが「圧倒的温かさ」でして、より温かい風土をつくっていこうと、社長からも話がありました。
店舗運営の指針となる「ハードオフ理論30ヶ条」の中に、「しくみはデジタル、対応アナログ」という言葉があります。お客さまに対して血の通ったコミュニケーションをしていきましょうという意味なのですが、それを社内にも同じように当てはめていて、昔から温かさを大切にしてきた組織です。
特徴的なのは、上層部との距離感の近さだと思います。全国に小規模な事業所が分散していますが、結婚や出産など社員のライフイベントがあると社内報や幹部のチャットグループで即時共有されるので、社長を始め幹部社員にも情報がすぐに届きます。社員一人ひとりを大切にし、社内全体で思いやる雰囲気が自然に育ってきたのかなと感じています。

社員のライフイベントを制度で支える——おしどり夫婦制度からマイホーム祝い金まで
温かさというキーワードが随所に出てくるのが印象的ですが、制度面でも具体的に体現されているものがあるとお聞きしました。
田辺さま:
2022年度に「おしどり夫婦制度」ができました。夫婦ともに正社員の場合、希望すれば同じ住居から通勤できるよう異動を配慮する制度です。片方が正社員でもう一方がパートアルバイトの場合でも、近隣や同じ事業所で働けるよう配慮してもらえます。実は……私自身も夫が同じ会社なので、この制度の対象なんですよ。
同じく2022年度には「マイホーム祝金」もできまして、初めて住居を取得する場合、100万円が支給されます。私の隣で働いている方が第1号でもらっていました。
さらに2024年度には「育児休業復帰祝金」も加わりました。1カ月以上育休を取得して復帰した場合、性別を問わず、育休前の給与と育児休業給付金の差額を補填するしくみです。結婚や出産のお祝い金を手渡す場面を写真に撮って幹部に共有するなど、制度だけでなく日常の中でも温かさが伝わるような取り組みをしています。


19のクラブ活動と食事補助付きメンター制度——コミュニケーションの仕掛け
全国に拠点が分散している中で、社員同士のつながりをどうつくるかは悩ましいところだと思います。コミュニケーション活性化のための取り組みを教えてください。
田辺さま:
クラブ活動を推奨していて部費を会社が支給しています。3名以上集まれば申請できるしくみで、現在19のクラブが活動しています。野球部やアーチェリー部のほか、変わったところでは「北海道秘湯探検部」なんてものもあります。
野球部はネーミングライツを取得している「HARD OFF ECOスタジアム新潟」を貸し切って社内野球大会を開催したり、地域の少年野球チームを招いたりもしています。全国に社員が分散しているからこそ、クラブ活動が年に1〜2回顔を合わせる場になっていて、キャンプ部では部員のご家族が参加するケースもあります。
もう一つ、入社1年目の社員に先輩社員を1名つけるメンター制度も整備しています。2カ月に1回の食事代を会社が補助する形で、定期的に直接会ってコミュニケーションを取れるようにしています。特に関東・関西など拠点間の距離が遠いエリアでは、新入社員が孤立してしまうことがあるので、近しいエリアの先輩と引き合わせて、悩みを相談できる環境を整えています。
また、年に1回、全国の店長に新潟県新発田市の月岡温泉に集まってもらい「RC総会」を開催しています。優秀な店長の表彰と社長からの年度方針発表を兼ねた会で、コロナ禍を経てリアルで顔を合わせることの重要さを改めて実感したこともあり、社員が一堂に会する機会を大切にしています。

社員に寄り添う相談体制——外部窓口の導入
温かさを大切にしている組織でも、メンタル面でのケアは欠かせないですよね。その辺りの取り組みを教えてください。
田辺さま:
社員一人ひとりのコンディションをより丁寧に把握していきたいという思いがあります。もともと社内の相談窓口はハラスメント対応も含めて整備していたのですが、社内の人間が相談員だと話しづらいという声もあって、2025年度から社外のオンライン相談サービスを正社員の福利厚生として導入しました。電話ではなくテキストで相談できるサービスで、日頃困っていることを気軽に打ち明けられる環境を整えています。
気づかないうちに一人で抱え込んでしまう前に手を差し伸べられるよう、こうしたしくみを整えていくことが大切だと考えています。
先入観を排除する集団分析——睡眠×メンタルのセミナーへ
ストレスチェックの集団分析結果は、どのように活用されていますか
田辺さま:
まず社長をはじめ経営層に共有して、取締役会でも一部共有されています。分析が詳細で、やって終わりにならないのがありがたくて、生活習慣やワーク・エンゲイジメントも測れるので、健康経営の申請書への回答も充実できています。
今回の分析で特に印象的だったのが、先入観が覆されたことです。ある地域への出店を強化していた時期でしたので、業務負荷が高まっていた該当エリアの数値が気になるだろうと予想していました。ところが実際には別のエリアのほうが高かった。いくら忙しくても働きがいがあればストレスが和らぐこともあるのかもしれないと感じましたし、逆に数値が高かったエリアについては、何が原因なのかという社内の話し合いにつながりました。自分たちの先入観を排除して現状が見えるのが、ストレスチェックの大きな価値だと思っています。
生活習慣の項目では、睡眠の質についても改善の余地があることが見えてきました。今期は睡眠とメンタルヘルスを掛け合わせたセミナーを実施することにしています。
制度を「知ってもらう」ことが次のテーマ——リアルタイム実行の風土
今後に向けて、コミュニケーションやメンタルヘルスの観点で取り組んでいきたいことはありますか
田辺さま:
今年度のテーマ「圧倒的な温かさ」を実現するために、今ある制度をどう活用してもらうかが大切だと思っています。社員がオンライン相談窓口の存在を知っているかというと、まだまだ周知が足りていない部分があります。制度を整備することと、それが実際に使われる風土をつくることは別の話なので、そこに力を入れていきたいと考えています。
社員からの声をキャッチして素早く制度に反映するスピード感も、うちの特徴だと思っています。健康経営に2022年度から取り組み始めて社内アンケートを強化したことで、今まで以上に現場の声を拾えるようになりました。「リアルタイム実行」という言葉が社内にあるのですが、考えながら動くというカルチャーが、自然と根付いてきているように感じています。
ハードオフコーポレーションさま、ありがとうございました!

株式会社ハードオフコーポレーション
1972年設立。新潟県新発田市に本社を置き、「社会のためになるか」を経営理念の筆頭に掲げるリユース業界のリーディングカンパニー。ハードオフ・オフハウス・ホビーオフ・モードオフ・ガレージオフ・リカーオフなどの業態を直営およびフランチャイズで展開し、2024年に国内外合計1,000店舗を達成。台湾・ハワイ・カリフォルニア・タイ・カンボジアにも進出するなど、海外展開にも積極的に取り組んでいる。