職場環境最優良法人2024

【回答者数50人未満部門】
有限会社ビックムーンさま

ドクタートラストのストレスチェックサービスでは、集団分析結果をもとに職場の雰囲気を数値化した独自指標「TRUSTY SCORE」(職場環境指数)を算出、上位法人を職場環境優良法人として表彰しています。
今回は、2023年度の2位に続き、2024年度は職場環境優良法人(回答者数50人未満部門)1位を受賞した有限会社ビックムーンの渡辺光世志さま(オペレーションコンサルタント)に、1年間での変化や新たな取り組みなどについて伺いました。
※2023年度の記事はこちら

聞き手:池田三菜子(ストレスチェック研究所 コンサルタント)

「風通しの良さ」は目的ではなく成果への過程

去年からの取り組みに変化はありましたか?

渡辺さま:

去年の取り組みから大きく変わったわけではないのですが、試行錯誤を続けています。
また、去年もストレスチェックの集団分析から「コミュニケーションができている、風通しの良い職場」と評価いただいたのですが、決してこれを最終的な目的として行動しているわけではありません。
あくまでビジネスの成果を出すための過程として人材育成に投資しており、その中で自然とコミュニケーションの機会が多くなっているんです。

私自身はハンバーガーを作ったり売ったりするような現場に立つ機会は多くありません。
ただ、そのぶん店舗やスタッフ一人ひとりの成長につながるような提案をしていく中でコミュニケーションが生まれ、そういうところが自然と結果に結びついた気がしています。

日々、どんなふうにコミュニケーションされているのですか?

渡辺さま:

私の仕事って、ほとんど喋ることなんですよね(笑)。
だからもう、毎日誰かとコミュニケーションをとっている実感はあります。
たとえば、ミーティングにはかなり時間を使っていますし、スタッフが一堂に会するイベントにはしっかり予算をかけています。
うまくいかないこともたくさんありますが、スピード感をもってやってみることを大事にしていて、「とりあえずやってみて、違ったらすぐ方向転換」という感じです。

イベントの様子

仲間とのつながりを深める場としてのイベント

イベントの内容について教えてください

渡辺さま:

たとえば「クルーパム」と呼ばれる、アルバイトの決起会を年に2回開催しています。

そのうちの1回は「卒店」といって、毎年3月に卒業するメンバーを送り出すための会です。
店舗ごとにご飯を食べたり、ビンゴ大会を開いたり、卒店する子に向けてメッセージを贈ったりと内容はさまざまで、ある店舗では食事のあとにみんなでボウリングへ行ったという話も聞いています。

ビンゴ大会の様子

皆さんすごく仲良しですね

渡辺さま:

そうですね。夏場はBBQをすることもありますし、体育館を借りて運動会をした店舗もありました。
また、子育て中の方も働かれているので、そういった方が参加しやすいように「お子さんも一緒に来てください」と声をかけています。
内容については各店舗で自由に、ピープルデベロップマネージャーを中心に企画してもらっています。

BBQの様子

採用から定着までを支援する存在

ピープルデベロップマネージャーの役割を教えてください

渡辺さま:

店舗の組織は大きく3つに分かれていて、人材(ピープル)、お客さま、オペレーションの部門があります。
その中の人材(ピープル)。つまり、採用やトレーニング、イベントの企画、退職防止策の実施など、人材に関わることを担当しているのがピープルデベロップマネージャーです。
たとえば、マクドナルド全体でも3カ月以内の離職者が多いという課題があるので、新人スタッフに対しては、3日間のオリエンテーションを実施した後、1カ月後の30daysチェックイン、3カ月に1回のパフォーマンスレビューを行うなどのアクションをしています。

トラブルにもチャレンジングな姿勢で

新たな取り組みを行う際に大事にしていることを教えてください

渡辺さま:

人それぞれ持っているものや、店舗ごとのコンディションが違うので、やってみるまでは何が成果につながるかはわかりません。
ただ、人と話をする前の準備は大事にしていて、ミーティングのときには、いきなり根拠なく話をしても伝わりにくいので、事前に定量的、定性的なデータなどの用意をするように心がけています。

また、その際に、「自分が相手に何を求めているか」をしっかりと伝えるようにしています。いわゆる「期待の明確化」ですね。

人が集まれば対立も避けられないと思います。人間関係のトラブルはありますか?

渡辺さま:

ありますね。たとえば店長とスタッフの間でのトラブルや、スタッフから私に直接声が上がってくることもありました。
そういった不満を持っている人を、なあなあにして放っておいても前に進みません。
なので、そこに対しては躊躇せず介入して、チャレンジングに取り組んでいくようにしています。

日々の中で気づく、声かけのタイミング

店長クラスの方以外とも話す機会はありますか?

渡辺さま:

基本的には店長と話すことが多いのですが、スタッフともオンラインなどで話す機会があります。

「声かけ」をされる基準はあるのでしょうか?

渡辺さま:

周りから意見を聞くことが多いです。
仕事ぶりやモチベーション、表情の変化なんかを見てわかることも多いので、そのタイミングでも声をかけます。

試行錯誤で見つけた自分なりのやり方

コミュニケーションの取り方について、マクドナルド社からのアドバイスや支援はありますか?

渡辺さま:

コミュニケーションについての学習機会も多いですし、ツールもありますが、いろいろなやり方がある中で、なにをチョイスするかは自分で考えて試行錯誤していかなくてはいけません。
たとえば、私は今「オペレーションコンサルタント」という立場なのですが、弊社にはもともとそういった役職はありませんでした。
直営のマクドナルド店舗などで学んできたことをベースに、自分なりのやり方を構築してきてきました。

ビックムーンさまの特徴にはどんなものがありますか?

渡辺さま:

オペレーションコンサルタントが1人で担当できる店舗数は、平均で5〜6店舗くらいだと思います。
一方で、弊社は4店舗体制なので、それぞれの距離も近く、現場と直接コンタクトを取る機会が多いため、より密にコミュニケーションができている面があります。

ビックムーンさま、ありがとうございました!

有限会社ビックムーン

愛知県内で日本マクドナルドのフランチャイズFC店舗を運営。創業23年を誇る。