職場環境最優良法人2022

【回答者数501人以上1,000人以下部門】
ノボ ノルディスク ファーマ株式会社さま

ドクタートラストのストレスチェックサービスでは、集団分析結果をもとに、職場の雰囲気を数値化した独自指標「TRUSTY SCORE」(職場環境指数)を算出、上位法人を職場環境優良法人として表彰しています。
今回は、2022年度ストレスチェックにおいて、職場環境優良法人(回答者数501人以上1,000人以下部門)2年連続1位の栄冠に輝いたノボ ノルディスク ファーマ株式会社の船橋志穂さま(人事本部 エンプロイー リレーションズ マネジャー)、本望未来さま(糖尿病事業本部 業務スペシャリスト)、黒崎あいさま(糖尿病事業本部 MR)、土谷謹仁さま(糖尿病事業本部 MR Beyond2024アンバサダー)からメンタルヘルスやコミュニケーションへのお取り組み状況を伺いました。

ドクタートラスト担当の小島からノボ ノルディスク ファーマの本望未来さまへ記念の盾を贈呈!

ノボ ノルディスク ファーマさまは職場環境優良法人(回答者数501人以上1,000人以下部門)で42社中1位となりました。2年連続の1位となりましたが、社内外の環境の変化などはありましたか


船橋さま:じつは、昨年の受賞は会社として大々的にアナウンスできていませんでした。
というのも、さまざまな施策を進めて周知していくなかで、より社員にわかりやすい報告のかたちを模索していたためです。
昨年、弊社のパーパスや行動指針であるノボ ノルディスク ウェイのカルチャーの基礎とメンタルヘルス対策について取り上げていただきましたので、今年は、「42社中」という非常に客観的な数字の結果とともに、実際の具体的な取り組みを社員にもインタビューしていただき、その内容を改めて社内でもシェアして、皆さんの日々の取り組みへの感謝と、これからもこういった活動を続けていただきたいことを伝えていきたいと考えています。

昨年の順位から入れ替わる企業さまも多いなかで2年連続1位は本当に素晴らしいです。この結果は、新たな施策の実行と企業として重要な取り組みの継続の、どちらの要素が大きいのでしょうか


船橋さま:両方あるとは思うのですが、全世界共通で毎年行っているエンゲージメントサーベイ(※1)「Evolve」はひとつの大きな軸になっています。
Evolveでは社員と会社のつながり、職場での周囲とのつながり、キャリア、ワーク・ライフ・バランスに加えてストレスに関する状況を確認し、職場ごとに強みの把握や課題の解決に向けたアクションプランの作成が可能です。
※1 エンゲージメントサーベイ:従業員の視点からみた「会社とのつながりの強さ」を測定する調査

御社のストレスチェックはEvolveの結果を、さらに客観的、多角的に見るための材料として使わせていただいています。

人事本部 エンプロイー リレーションズ マネジャー 船橋志穂さま

職場ごとにそれぞれ違った取り組みを行っているのですか!


船橋さま:もちろん、会社としてのアクションプランをもとに、全社での取り組みの実施もしています。しかし、昨年に策定された弊社の中期経営戦略である「Beyond2024」をもとに、各職場にアンバサダーを立て、彼らを中心に、計画実行に向けた職場単位でのディスカッションや施策の実行も行われています。

ですので、今回の結果も「職場で話し合いを続けてもらっている」ことが一番の理由かなと考えています。

Beyond2024とはいったいどんなものなのでしょうか


土谷さま:Beyond2024は会社が策定した中長期計画で、「BUSINESS」「PEOPLE」「SHAPE THE FUTURE」の3つの柱があり、全社員が計画の細かな内容をいつでも閲覧可能です。

アンバサダーはそれぞれの職場との橋渡し役として、Beyond2024を実現するためにいろいろな活動をしています。
イベントの企画やインタビューの実施、ポスター・スマホケースの作成などは全国的に実施しているのですが、関東第一ブロック(東京・神奈川8つのエリアからなる)独自の取り組みもあります。

糖尿病事業本部 MR Beyond2024アンバサダー 土谷謹仁さま

実際にどんな取り組みが行われているか教えてください


土谷さま:関東第一ブロックでの独自の取り組みとしてパタニティ座談会(※2)を実施しています。
今では、本人の意思によって育休を取るかどうか選択できるようになってきてはいますが、制度的な問題や上司への伝え方、得意先への対応、育休中の取扱いなど、不安を抱えている人が多いのも事実でした。
こうした不安を解消するために、私を含めた育休を取った経験のあるメンバーが、自身の体験などを伝えるためにリモートでの座談会を行いました。
終了後のアンケートでもおおむね良い回答が得られたので、今後も続けていきたいと考えています。
※2 パタニティ:父性

育休を考えている人にとっては同じ社内で取得した経験のある人の意見が一番参考になりますよね


土谷さま:営業車にチャイルドシートやジュニアシートを載せられる子育てドライバー制度や、1時間単位での時間休などもあって、子どもの急な怪我や病気があっても迎えに行ける安心感があります。

また、営業部門の話になるのですが、ブロックごとにチームを作って、プレゼンテーションの内容をトーナメント形式で競い合う「TEPPENグランプリ」もアンバサダーとして企画しました。
プレゼンテーションの要点を整理して「どうしたらわかりやすく伝えられるか」をチームで考えて、順番を決めてプレゼンを行っていくのは、エリア横断的なコミュニケーションにつながりました。

本望さま:こういう企画には、自分たちのスキルアップという目的もありますが、少しの「楽しさ」が入っていると思うんです。全社で一つの取り組みを行っていくのも大事なのですが、職場単位でみんなが楽しんで作る施策は、社員一人ひとりが自分事として改善に取り組むという点で、オーナーシップを育む機会にもなっていると思います。

「職場単位」というところが非常に特徴的で、取り組みとして功を奏していると感じました。職場ごとに施策を考えるにあたって、どうやって従業員の声をすくい上げているのでしょうか


船橋さま:Evolveや御社のストレスチェックなどを、会社としてイニシアチブをとって実施していくのが一つです。ただ、結果を受けてのディスカッションや追加のサーベイは、より実態がつかみやすい、それぞれの職場単位で行います。
その際に、上長が職場メンバーに結果の共有・報告を行い、サーベイへの参加に対して感謝を伝えることを徹底しています。

追加のサーベイも職場単位で行うのですか!


本望さま:たとえば、去年のEvolveで明らかになった「精神的な苦痛」という課題に対して、関東第一ブロック独自でどういった背景があるのかの追加サーベイを行っています。
その結果、新型コロナウイルスによるリモートワークの増加などを原因としたコミュニケーション不足が精神的な苦痛につながっているとわかったので、エリアを横断して交流を行い、職場や個人で抱えている課題や悩みを共有できる機会を作りました。

また、朝の8時以前と夜の8時以降の連絡を控える「88ルール」の取り組みも行いました。

オフィスが違うとコミュニケーションも希薄になりがちですよね


本望さま:関東第一ブロックは8エリアから構成されているのですが、それぞれのメンバーの意見を集約してマネジメントチームへ伝えるために、各エリアの代表者を選出してエリア横断的なコミュニケーションの会を作りました。

黒崎さま:営業であるMR(医薬情報担当者)が「この施設は誰が担当しているんだ」となったときに、同じブロックでもエリアが違うと担当者がわかりません。オフィスが違うと顔がわからないので、気軽に電話で確認もしにくいんです。
こうした、コミュニケーション不足による「ちょっと電話がしにくい状況」を改善できれば、もっと働きやすい環境がつくれるのではないかという意見があったので、「エリア横断的に、ざっくばらんに会話をする場を作ってみてはどうか」と提案すると、すぐに実施されました。
業務以外のことを話せたので、そこから気軽に電話をしやすくなりましたし、エリアが違っても「顔が見える」状態になったので、困ったときに相談できる相手が増えました。

また、業務の細かい課題を「エリア横断的なコミュニケーションの会」という一つの組織としてマネジメントチームに意見をあげられるので、すごくスピーディーに対応してもらえて、自分たちの意見がしっかりと通った、反映された感覚を強く感じました。

糖尿病事業本部 MR 黒崎あいさま

こうした取り組みはいまも継続されていますか


本望さま:Evolveでは前年の取り組みのフォローアップも行っており、効果的だった取り組みの継続や、当年の回答結果を受けて新たにフォーカスすべき取り組みについて検討します。今年のアクションプランでは、社員のキャリアプランについてフォーカスした取り組みを進めています。また、88ルールに関しては、今年も継続しています。

船橋さま:会社として一律のルールとして「こうしなければならない」と決めていくのではなく、職場ごとに「こうあるべきだよね」「このほうがいいんじゃないか」と従業員一人ひとりの声を聞きながら管理職たちが考え、実行される施策のほうが、形骸化されずに効果的であるとも考えています。
88ルールに関しても、以前から会社としても深夜の連絡などは検討課題として上がっていたりしましたが、管理職の方が対話を通じて課題を認識して、「自分たちのプラン」として施策を実施していくことに大きな意味があると思っています。

さいごに、良い職場環境を維持するために意識していることを教えてください


船橋さま:先ほどの、エリア横断的なコミュニケーションの会の事例からもわかるとおり、会社として「エンパワーメント」(※3)を強めて、現場で変革をスピーディーに起こしていこうと考えています。
エンパワーメントを強めるというのは、丸投げすることではなく「社員を信頼して仕事を任せること、そしてその仕事を通して社員を育てる」行為だと捉えています。これを実現するには、管理職の方は難しい判断をする必要がありますし、社員の方にはきちんと会社と自分たちのことを考えて健全な提案をしてもらわないといけません。
昨年から会社として取り組みを始めて、いま両方が成り立ってきたのかなと思っています。
※3 エンパワーメント:組織に所属する一人ひとりが本来持つ能力や長所を存分に発揮できる環境や仕組みを実現すること、自律性向上

言葉で「エンパワーメントを促進していく」と言っても、具体的なイメージを持つのは困難です。
しかし、こうした事例が社内の中に広がると、エンパワーメントによる業務の効率化や社員のやりがい、満足度にもつながる効果がシェアできるのではないかなと感じています。

ノボ ノルディスク ファーマ株式会社
1980年設立。1923年創立のデンマークに本社を置く世界有数のヘルスケア企業の日本法人。変革を推進し、糖尿病および肥満症、希少血液疾患、希少内分泌疾患などのその他の深刻な慢性疾患を克服することをパーパスとし、その目的達成に向け、科学的革新を見出し、医薬品へのアクセスを拡大するとともに、病気の予防ならびに最終的には根治を目指して取り組んでいる。
公式サイト:http://www.novonordisk.co.jp/