職場環境優良法人2022

【回答者1,001人以上部門】
株式会社メンバーズさま

ドクタートラストのストレスチェックサービスでは、集団分析結果をもとに、職場の雰囲気を数値化した独自指標「TRUSTY SCORE」(職場環境指数)を算出、上位法人を職場環境優良法人として表彰しています。
今回は、2022年度ストレスチェックにおいて、職場環境優良法人(回答者数 1,001人以上部門)を受賞した株式会社メンバーズの武田雅子さま(専務執行役員CHRO ピープル&カルチャー本部長)、早川智子さま(執行役員 ピープル&カルチャー本部 人財採用室室長 兼 DE&I推進室 室長)、中村早紀子さま(ピープル&カルチャー本部 DE&I推進室 スマートワーク推進グループ リーダー)に社内コミュニケーション活性化に向けた施策などを伺いました。

メンバーズさんの特徴や社風を教えてください


早川さま:メンバーズは、ミッション、ビジョンを重視している会社です。2020年5月に発表した「VISION2030」では、IT企業としてはかなりユニークな「社会課題を解決する」という高いビジョンを掲げています。

また、中途やキャリア採用では、IT企業ですので経験値やスキルも重要なところとして見てはいるものの、最優先しているのがミッション(経営理念)・ビジョンに対しての共感度です。ここ最近、世の中でパーパス(企業としての存在意義)やビジョンに対する共感が強く謳われているようになってきましたが、メンバーズではおよそ10年前からミッション(経営理念)・ビジョンへの共感度を重視して会社を運営しています。

出所:株式会社メンバーズ「VISION2030」(2020年5月8日発表)

武田さま:徹底した理念共感採用を行っているため「メンバーズしか受けていない、第一希望です」という方もいらっしゃり、それだけメンバーズのユニークな点が伝わっているのだと感じます。

早川さま:新卒採用ですと「気候変動問題に何かしら自分も貢献したい、そのためにデジタル技術を身につけていくのだ」といった気概の方が多いです。

当社の特徴としてはもう一つ、10年ぐらい前から新卒の大規模採用を戦略的に行っており、2023年4月には585人が入社しました。総社員数およそ3,000人の内訳をみると、新卒社員の比率が極めて高く、平均年齢は29.9歳、20代が約7割を占めており、これからの伸びしろやポテンシャルといったメリットが期待できます。

武田さま:社内風土は非常にフラットで、上司はもちろん、みな会長や社長に対しても役職ではなく「さん」付けで呼び合っています。

私は2023年3月にメンバーズに参画したのですが、エンジニアが多いことから、「学ぶカルチャー」が他社にくらべて非常に浸透しているように思います。常に新しい情報を取り込んでいかないと置いていかれてしまう業界ですので、年齢に関係なく、自分のアップデートを意識している方が多いです。

加えて、若い社員が多いことから、「彼らに伝わるように話すにはどうしたらいいだろう」とか「彼らの興味があるものって何だろう」とか、自分で自分を変えていく意識も働きます。私たちが「たとえ話」で使っているものが古すぎて伝わらないこともあるので、そこは面白いと感じています。

武田雅子さま(専務執行役員CHRO ピープル&カルチャー本部長)

早川さま:前職ではキャリアのある人たちと仕事をしていましたので、こちらがしっかりと意図を伝えなくてもくみ取ってくれる人たちが多く、業務は問題なく回っていました。そのため「どういうふうに伝えていくといいのか」の観点は持っていなかったのですが、メンバーズでチームを率いる立場になったとき「同じやり方ではチームとしては成立しないな、成果が出ない」と思うようになり、社員との接し方の考えは大きく変わりました。いい意味で刺激をもらえています。

若手の社員が多い状況下で、どのようなコミュニケーションに取り組んでいらっしゃいますか


早川さま:最近ですと、リアルのコミュニケーションを大事にするよう伝えています。どうしてもオンラインやテキストのコミュニケーションだと伝えきれず、ミスコミュニケーションも起こり得るためです。それから、所属部署以外でのつながりを、まだまだやりきれてないところはあるんですけれども、たとえば全国の事業所ごとにコミュニケーションを活性化させるためのイベントを、拠点単位で開いてもらっています。

あとはサークル活動も積極的に行っており、現時点で60ほど存在しています。

早川智子さま(執行役員 ピープル&カルチャー本部 人財採用室室長 兼 DE&I推進室 室長)

武田さま:本当に三日とあけず、「サークルを作ったので、誰か入りませんか」のお知らせが届くのです。真面目なものから、飲み会のサークルまで、ありとあらゆるジャンルを網羅しているのではないでしょうか。

早川さま:人数と目的が明確であれば、誰でもサークルを作ることができ、少額ながら活動への補助が出ます。ですので入社1年目、2年目の方たちが主となったサークル立上げも多いように思います。

若い方が会社の運営や社内文化の中心とのことですが、ベテランの方々はどのように感じていらっしゃるのでしょうか


早川さま:早いと入社2年目から社内カンパニー社長を担っている方がいます。また、大きな部門のいわゆる課長職相当のポジションに2年目、3年目ぐらいから登用されている方がいるのですが、こうした若いスタッフに対して、「頑張ってるね」と応援する文化が社内にはあります。

武田さま:当社の人事制度の大きな特徴として、人事部門から発令する異動がないことが挙げられます。社内公募に自ら立候補して動いていく、言ってしまえば社内が1つの「市場」のような状況で、自主的に仕事を選んでいけるのです。

早川さま:具体的には、新規事業立ち上げ時のカンパニー社長を公募制にしています。およそ半期に1回程度実施しているのですが、現時点であれば20件前後の公募が出ています。そのなかで自分のやりたい領域に対して手を上げて、プレゼンして、カンパニーを立てて挑戦していけるようになっています。

このほかにも、たとえばオープンポジションでの公募も常に100件ぐらいは出ていて、「次はこの仕事したい」と思うところにエントリーができます。もちろん受け入れ先のマネージャーとの面談をしたうえでお互いに納得・合意して初めて異動できるのですが、自ら「次はここに異動していくのだ」といったキャリア形成の意識醸成はかなり活性化されています。

武田さま:おそらく一般的な日本企業では、人事異動が最初にあって、その枠組みのなかでいかに活性化を図っていくかを検討するところだと思うのですが、当社の場合は公募で動いているため、その力学、働き方がまったく他社と違うのです。もちろん実力も必要ですが、自分で考えていける社員は、自らをデザインでき、メンタルヘルスにかなり好影響を及ぼしているのではないでしょうか。

ドクタートラスト担当の伊藤から記念の盾を贈呈!

早川さま:社内公募自体は10年以上前から実施しており、運用の仕方や活性方法については、その都度チューニングをかけています。最近では、この制度を知って採用選考を受けられる方もいて、「新しいことに自主的にチャレンジしていける会社だからメンバーズに入りたいです」といった志望動機も聞かれます。

少し話が変わりますが、ドクタートラストのストレスチェックを長らくご利用いただいていらっしゃるなかで、ご感想などはありますか


早川さま:ストレスチェックの結果は、部門別でも出していただいているので、よい面悪い面を含めて、部門に対してフィードバックをさせてもらっています。そのなかで課題がある場合には、一緒に、現況を踏まえた対応策を一緒に考えています。

集団分析では、STELLA(※)を出していただいていますが、活躍社員の比率などは、ポジティブな判断材料として非常にいいと思っています。課題はもちろん改善ポイントとして着目し、フィードバックを行います。そのなかで「STELLA社員が多い」などポジティブな点は、マネジメント上でも引き続き頑張っていこうと思える動機につながっているのではないでしょうか。
※STELLA:ストレス状態が低く、周囲に良い影響を与えながら自らもいきいきと働くことができている理想的な人材

中村さま:以前に使っていた他社のシステムにくらべると、準備から実施、それに実施後まで、担当者側の作業工数がかからず、助かっています。システム自体も使いやすいと感じています。

いろんな施策を教えていただきありがとうございました。最後に、今後の展望をお聞かせください


武田さま:大きなところではERG(※)の活性化があります。早川が先ほど申し上げたサークル活動などに人事部門がどう介入、サポートしていけるかは考えていきたいところです。
※ERG:Employee Resource Group、従業員リソースグループ。共通点を持った従業員同士で構成されるグループのこと

早川さま:もう一つ「ゆるいコミュニティ」があります。社員が自分の興味関心事に合わせて気軽に入れるようなコミュニティが、社内にたくさんあって、新しく入社した人たちが、自分の居場所を作っていけるような、コミュニケーション活性を目指していきます。

株式会社メンバーズ
1995年設立。デジタルビジネス運用支援を通して、企業の脱炭素DXを推進しています。お客さまのビジネスへの高い理解度を持って、ビジネス課題や目標を適切に把握し、様々な専門スキルを持ったデジタルクリエイターがAI、Web3、データ活用、脱炭素DX、Webサイト、アプリなど広範囲にわたって社会ニーズに合わせた最適なデジタルビジネス運用支援サービスを開発・提供している。ミッションは「”MEMBERSHIP”で、心豊かな社会を創る」。
公式サイト:https://www.members.co.jp/