職場環境優良法人2021

【回答者数100人以下部門】
那覇エアポートエンジニアリング株式会社さま

ドクタートラストのストレスチェックサービスでは、集団分析結果をもとに、職場の雰囲気を数値化した独自指標「TRUSTY SCORE」(職場環境指数)を算出、上位法人を職場環境優良法人として表彰しています。
今回は、2021年度ストレスチェックにおいて、職場環境優良法人(回答者数100名以下部門)を受賞した 那覇エアポートエンジニアリング株式会社の屋宜夏杏さま(総務グループ)に、健康経営へのお取り組み状況やストレスチェックの活用方法などを伺いました。

那覇エアポートエンジニアリング株式会社 総務グループ 屋宜夏杏さま

最初に那覇エアポートエンジニアリングさんのことを教えてください


私ども那覇エアポートエンジニアリングは、沖縄の空の玄関である那覇空港を24時間365日、安全に安定稼働させることを使命とする会社です。空港には快適な環境を保つための、さまざまな施設や設備がございまして、訪れる皆さまに快適な空間を提供する重責を担っています。

職場としては、年齢に関係なく風通しが良く、意見が言いやすいアットホームな環境と自負しています。また全社員が団結して、業務に取り組む姿勢、新しいことに積極的にチャレンジしている職場でもあります。

2023年度に「うちなー健康経営宣言」を出され、健康経営を進めていらっしゃるところと存じます。メンタルヘルス対策はじめとして、何か特徴的なお取り組みはありますか?


弊社では2カ月に1回、全社員に社内アンケートを実施しています。このアンケートは実名と匿名を交互に行うもので、少しでも気になる回答があった場合は、すぐに個人面談を行い、問題解決に取り組んでいます。また、一人で悩むことがないように、日常でいつもと違う顔色や雰囲気が感じられた場合には声をかけ、特に入社間もない3年未満の社員に対しては細かいことでも相談するように伝えています。

とても手厚いですね!アンケートから社員の状況や傾向は見えてくるものでしょうか?


空港施設管理という重責を担っていることから、仕事のしかたや考え方で悩みがあったり、上司と部下の関係で悩んでいたり、それぞれに異なる悩みを抱えている印象です。少しでも「おかしいな」と思った時には積極的に個人面談を行っています。

また最近は、ドクタートラストさんのセミナーで教えていただいた内容をアレンジし、自由自在な組み合わせで、業務からプライベートまで横断的に話す「フリーミーティング」を取り入れるなど、若手社員を中心にコミュニケーション活性化に取り組んでおります。上司と部下の垣根を取り払って、「聞きやすい、答えやすい環境」を構築することにより、個々のスキルアップにつなげる、あるいは部下から出た不安を上司が拾いやすくなればと考えています。

若手社員を対象としたセミナーの様子

上司と部下の垣根を取り払うというのは……結構難しそうな印象を持っています


取り組み出したばかりですので、まだ数値的な結果などは出ていないものの、おそらく社員のなかには、ミーティングを開く意図は何だろう」と疑問が湧いているはずで、この疑問こそが成果につながるものと考えています。会社が何に重きを置いているのか、どのような働き方を求めているのか、どういったコミュニケーションの取り方が良いのか、まずは関心を持っていただきたいです。

会社の施策に関心を持ってもらうことは重要ですよね!


おっしゃる通りで、とても重要な事だと思います。
先ほども申し上げたように「一人にさせない、一人と思わせない」に重きを置き、個人面談も「その場で終わり」ではなく、結果を確認し、良い結果でなければ、「別の方法を一緒に考えよう」とアプローチすることで、相談者の気持ちにゆとりを持たせ、問題解決につなげるよう取り計らっています。

また、「コミュニケーションを取る」といっても決して簡単なことではなく、仕事同様に身につけるための練習は欠かせません。これらを意識し、社員一人ひとりがコニュニケーション力を培うとともに、上下の区別なく気軽に相談できる環境、いわゆる心理的安全性の確保されたチームが構築されることで、企業としての発展可能性が高まるものと期待しています。

社員全員への配慮がうかがえます


ありがとうございます。
もちろん、働いていくなかでストレスは避けて通れないものです。適度なストレスは生産性向上に寄与するとされていることから、一つの原因のみに固執するのではなく、それぞれが自己流に「ものの見方」を変える方法を身に着け、ストレスをプラス方向に変えてもらいたいと思っています。

リモート形式でお話を伺いました

今、ちょうどストレスのお話が出ましたので、このままストレスチェックのことを教えてください。御社は従業員数が17名と伺っています。ストレスチェック実施が義務づけられていないなかで導入を決定した経緯・背景はあるのでしょうか?


親会社(那覇空港ビルディング株式会社)が実施していたこと、それに中小企業にも努力義務が生じたことが背景にはあります。加えて、ストレスチェックを通してどのようなことが把握できるのか、社員のストレス状態を見える化し、会社として取り組むべき改善点があるかを調査してみたく、2021年度に初めて実施しました。

興味深かったのは、集団分析結果です。私どもの業務が冒頭でも述べたように24時間365日安定稼働させることが求められているため、閉館している深夜に点検作業を行う、時には勤務時間外に防災センターからの問い合わせに対応することもあります。社員によってはこれらをプレッシャー、ストレスに感じているだろうと認識は持っていたところ、ストレスチェック項目の「仕事の質的負担、量的負担」でそれが浮き彫りになりました。ストレスチェックにしっかり釘をさしてもらった、気づきを与えてもらったと捉えています。

今回の結果については、経営層との共有ですとか、具体的な取り組みなどへの落とし込みなども進めておられるのでしょうか?


もちろんです!現在の業務の流れが担当者に合っているのか、時間の削減、分担ができるのかなど、そういった話し合いにつながっています。課題などは「見える化」することで会社の改善になっていくと、ストレスチェックの実施でよくわかりました。
また、直接ははっきり言えない、見えづらい内面も数字に現れるので、「ストレスチェックで、こう出ているから気を付けようね」など、説明がしやすくなったように個人的には思っています。

全従業員で年に2回開催しているウォーキング大会の表彰式

那覇エアポートエンジニアリングさんのお取り組みは、他社にとってのヒントがたくさん詰まっていると感じました。最後に、今後の展望をお聞かせください


安全に効率よく確実な作業を行うためにも、自己能力を最大限に引き出すためにも、社員一人ひとりが健康意識を高めることは欠かせません。そこで先ほどのお話にもありましたように、健康経営に取り組むことを宣言、健康経営優良法人の認定取得を目指しています。また、ストレスチェックの結果は、会社の成績表であると認識できましたので、社員と向き合い、毎年良い評価を更新するつもりで結果を高めていきたいところです。
会社規模は、決して大きくありませんが、大手企業にも負けない、社員一人ひとりが誇れる会社作りを進めていきたいです。

那覇エアポートエンジニアリング株式会社
2011年設立。沖縄の空の玄関口である那覇空港の施設・設備全般のメンテナンスを行う。2022年度には「うちなー健康経営宣言」を行い、セミナーやウォーキングイベント、それにストレスチェックなど、健康経営にも力を入れている。
公式サイト:https://www.ae-naha.co.jp/