職場環境優良法人2024

まず、このような賞をいただきまして大変光栄です。ありがとうございます。
私たちにとって、何か困ったとき・迷ったときに羅針盤として支えてくれる「ノボ ノルディスク ウェイ」という活動指針が当社の働きやすさの礎となっております。
私たちのパーパスは、糖尿病で培った知識や経験を基に、変革を推進し深刻な慢性疾患を克服することです。
その目的の達成のため、私たちのあらゆる活動の指針となる価値観（バリュー）と行動様式（ビヘイビアズ）を示した「ノボ ノルディスク ウェイ」を策定しています。
当社で長く働く社員も、新しく入社した社員も皆この指針を学び、折に触れて意識することで、メンバー間での共通言語として機能し、働きやすい職場作りに貢献しています。

また、継続的なコミュニケーションの機会として、昨年度のインタビューでもお話させていただいたとおり、「Evolve」という従業員エンゲージメントサーベイをグローバル全体で年1回実施しています。
このサーベイは、エンゲージメントに関する継続的なチームでのコミュニケーションの出発点となるものです。
サーベイは得てして結果の良し悪しに注目しがちですが、あくまでもその時点のスナップショットにすぎません。大事なのは、その結果を基にしたチームでのコミュニケーションであるということを、社員の皆さんにもお伝えしています。

ここからは、実際の職場における、メンタルヘルス対策やコミュニケーション活性化の取り組み例について紹介させてください。東京本社のオフィスリノベーションについての取り組みと、郡山工場での取り組みについてです。

本社オフィスのリノベーションの目的は、「①ノボ ノルディスクの一員としての誇りを感じ、ブランドとカルチャーの象徴となるオフィスを目指す」、「②学びや協業作業によって、同僚との信頼関係を構築し、インクルーシブに働き、イノベーションを創出するオフィスを目指す」、「③業務の性質に応じて、社員が必要とする環境やサポートが提供される、効率的なオフィスを目指す」です。

従来のオフィスはフリーアドレスでしたが、さらに進化したABW（アクティビティ・ベースド・ワーキング）に変更し、仕事の内容・状況に応じて、「最もパフォーマンスが発揮できる場所」を社員自ら選択して働くことができるオフィスを目指しています。

計画の段階から、従業員の声を聞くことに注力しました。従業員それぞれが「生産性高く、心も体も健康で、ストレスなく働きたい」と思っているはずです。このような要望を実現するには、従業員の声をよく聞き、オフィスデザインに取り入れることが重要と考えました。そのため、従業員アンケート、本部代表者を集めてのワークショップ、また、全社員対象のダイアログを毎月実施しました。

様々な従業員の声が集まりましたが、傾向もありました。
当社の歴史と北欧を感じるデザインであること、機能・設備としては、会議室を増やしてホワイトボード設置や防音効果を高める、フォンブースは冷房付き、集中できる座席（他者の視線を気にせず、静かで作業効率が高い外部モニターがある）、また、同僚に話しかけやすくカジュアルな会話もしやすい場所などの要望がありました。これら要望をすべて新オフィスに反映しており、従業員の満足度も高くなっています。

メンタルヘルスに寄与する要素は多岐にわたります。従業員の要望に沿った快適な作業環境の導入のほか、植物やデンマークの小物を多く配置してリラックスできる空間にしています。オフィスで気分に合わせて席を自由に変えながら仕事ができることも寄与しているでしょう。また、ストレスなく働くためには、業務で困ったときにすぐに誰かに聞ける環境は重要なため、常駐スタッフが何でも相談にのるオフィスサポートを設置しました。

肉体的ストレスだけでなく、DEI&B※1も考慮して、多くの座席に、電動昇降式のデスク、エルゴノミクスチェア、外部モニターを導入しました。どのメーカーのチェアやモニターを購入するかは、従業員投票により決定しました。

※1：Diversity, Equity, Inclusion&Belonging

中途入社者の歓迎と、既存従業員のコミュニケーションを目的に、懇親会を毎月行っています。どんな方がご入社されたかも理解できますし、歓迎の気持ちを示すこともできます。また、既存の従業員同士も交流することで、後日オフィスですれ違ったときでも、気軽に話をすることができているようです。

ノボ ノルディスクには「Physical」、「Mental」ともに職場改善の機会が多く設けられていますが、ノボ ノルディスクの大きな特徴の一つとして、メンタルヘルスを一従業員が解決する問題とは捉えず、経営陣もコミットメントし、その問題を会社で取り組むべき課題として認識し、その改善に責任をもって取り組んでいることだと思います。

郡山工場では、「Evolve」の「Mental Wellbeing」の結果を基に、トレーニングジムやコミュニケーションスペースの設置、グローバル各地域の製造拠点合同で「Power break」や「Mindfulness」のセッションの開催、社内ランチ会の開催など様々な取り組みを行ってまいりました。

生産現場では「Mental Wellbeing board」を設置し、現場の従業員が日々どのような状態にいるのかをマグネットで示すことで、上長や周りの仲間とのコミュニケーションツールとして活用しています。このマグネットで問題がある場合には、上長はすぐに面談を行い、また周りのメンバーはサポートするような体制が整います。このボードは「Mental Wellbeing」を強化するとても画期的なツールの1つです。
「Mental Wellbeing」の場合、自ら声を上げることは大変難しく、周りからの声かけや何気ない会話により話すきっかけを作ることになるので非常に重要と考えて活動しています。そしてマネジメントチームが率先してその取り組みをリードしています。そのおかげで本年は「Evolve」の「Mental Wellbeing」のスコアの向上につながりました。

工場の労働安全衛生の取り組みは古くから評価され色々な表彰をいただいており、15年以上休業労働災害も起こしておりません。
特に2022年にいただいた厚生労働省からの労働安全衛生に関する賞は工場にとっての誇りであり、また私たちの製品を使ってくださるドクターや患者さんもさらに気持ちよく使っていただけるきっかけになったと思います。

私たちは、工場で働く人が幸せな気持ちで仕事に取り組める環境を提供し、構築していくことは、工場にとって非常に大切なことだと思っています。このことは、私たちの製品を使ってくださる患者さんの安心感にも直結すると信じています。ゆえに郡山工場では工場ミッションの1つに必ず「環境労働安全衛生」をうたっています。

2025年も郡山工場では、「Evolve」の「Mental Wellbeing」の結果に基づいた目標を経営陣自らが設定して活動予定です。これからも東京本社とコラボレーションをしながら、「Mental Wellbeing」の取り組みが私たちの製品への価値を生み出せるものになれるよう、そして工場の取り組みが東京本社そしてグローバルの製造拠点にもいい影響を与えられるよう邁進していきたいと思っています。