職場環境最優良法人2024

【回答者数1,001人以上部門】
千葉県警察さま

ドクタートラストのストレスチェックサービスでは、集団分析結果をもとに、職場の雰囲気を数値化した独自指標「TRUSTY SCORE」(職場環境指数)を算出、上位法人を職場環境優良法人として表彰しています。
今回は、2024年度のストレスチェックにおいて、職場環境優良法人(1,001名以上部門)2位を受賞した千葉県警察の秋山久美子さま(警務部厚生課長)、齊藤礼子さま(警務部厚生課健康管理室保健師)に、メンタルヘルス対策やコミュニケーションの活性化への取り組みについてお話を伺いました。

聞き手:髙木弘和(ストレスチェック研究所)

千葉県警察さまに記念の盾を贈呈

まずは千葉県警さまの組織風土などについて伺えますでしょうか

秋山さま:

千葉県警察では、千葉県警察活動方針の重点目標「安全安心を実感できるくらしの実現」を達成するため、職員の基本姿勢を「頼れる、誇れる、思いやりのある千葉県警察」としております。
「頼れる」とは、迅速・的確に対応することによって県民が心から頼れる組織であること、「誇れる」とは、重大事件や大規模災害における真摯な活動により、県民が全国に誇れる組織であること、最後の「思いやりのある」とは、県民のためにどうすべきかを心を込めて考える組織であることを意味します。
この姿勢のもとで、さまざまな治安課題などに約1万2,000人の警察職員が対処しているところです。
さらに今年は、「活動重点」の中身に新たに「心身ともに健康で」という言葉が加わり、今年(2025年)7月には、県警のトップである本部長による「健康経営宣言」を出しています。

健康経営宣言を出した理由などはあるのですか?

秋山さま:

職員に健康の保持増進の必要性の認識を一層深めてもらうとともに、組織としても職員の健康管理を経営的な視点から考えて、戦略的に実践する健康経営の考え方を取り入れ、これまでの“守りの健康管理”からもう一歩踏み込んで、職員の健康に投資するという“攻めの健康管理”を進めていくためです。

秋山久美子さま(警務部厚生課長)

いまのお話にありました「健康経営宣言」にも関わることとして、メンタルヘルス対策や組織内でのコミュニケーション活性化が挙げられます。千葉県警察さんでは、どのようなお取り組みをなさっていますか?

秋山さま:

まず、メンタルヘルス対策としては、すべての職員に心の健康に関する理解を深めてもらうために、各所属でストレスの対処法やメンタルヘルス不調を防ぐためのコミュニケーションの方法などのメンタルヘルスセミナーを開催しています。
加えて役職が上がる方、幹部職員に対しては、ラインケアなどに関する教養も継続的に行っています。
また、相談窓口としまして、産業医ですとか保健師、臨床心理士などの産業保健スタッフによる対応のほか、不安や悩みを相談できるピアサポーターを、所属ごとに職員の中から指名し、身近な方に相談できる体制を整えるなど、平素から相談しやすい環境づくりに努めています。
一方のコミュニケーションの活性化に関しては、職員の健康の保持増進に加えまして、心身のリフレッシュを図るためレクリエーションやクラブ活動の推進など、職員間の絆を深め強める多様な取り組みを行っているところです。

いまご紹介くださったことについて一つずつ教えてください。最初におっしゃった「所属ごとのセミナー」というのは、事業場単位で開催されているのでしょうか?

齊藤さま:

そのとおりです。ストレスの対処法と職場でのストレス軽減を目的とした職場コミュニケーションのポイントを中心としたセミナーを警察署単位などで開催するように企画しています。

齊藤礼子さま(警務部厚生課健康管理室保健師)

2つ目として、役職が上がる方と幹部職員の方に教養と仰いましたが、具体的にはどのような内容でなさっているのでしょうか?

秋山さま:

役職が上がると、部下の職員のことについて「どこまで気づいてあげられるか」がポイントになってきますので、職場環境等の問題点の把握と改善、「いつもと違う」部下への気づきや、部下からの相談に対する真摯な対応や指導の仕方などです。
指導する側の言動や言葉選びに気をつけるなど、具体的な方法論も含めてお話する機会を用意しています。

3つ目に挙げていた相談窓口は、厚生課さまが窓口の対応をなさるのでしょうか?

齊藤さま:

そうですね。内容ごとに窓口は分かれているものの、全般的なことや、どこに連絡していいかわからない場合は、健康管理室の保健師まで連絡いただくよう周知しています。

秋山さま:

窓口もいくつか設けていますので、そういった情報も一覧にしてイントラに掲示するとか、紙ベースで色々なところに掲示するとか、さまざまな方法で周知しています。
これらの掲示を見たうえで各相談窓口を直接利用する方もいれば、健康管理室に来られる方もいます。

髙木弘和(ストレスチェック研究所)

どういったご相談があるのでしょうか?

齊藤さま:

パターンはさまざまです。ご本人から「今こんな状態で、こうなんですけど……」と相談いただくこともあれば、上司の方からご相談を受けることもあります。

相談できる体制としては窓口とは別に「ピアサポーター」も設けられているそうですね。これは、どういった制度なのでしょうか?

秋山さま:

ピアサポーターは全国の警察組織が取り組んでいる制度であり、職員相互の中での助け合い、同僚間での支援活動といえます。
悩みを抱えている人にとっては「悩みを口に出す」ということが第一歩ですので、悩みを抱えた人がピアサポーターに声をかける、または、ピアサポーターから、声を掛けるといったことができるような環境を整備しています。

ピアサポーターは所属の中から指名されるとのことですが、どのような方が担当になるのでしょうか?

秋山さま:

熱意や、思いやりがある、人望が厚く相談しやすい、秘密を守れる、そのような方でしょうか。千葉県警察では650人弱がピアサポーターとして活動しています。

ここまでメンタルヘルス面からのお取り組みについて詳しく伺ってきました。続いて、コミュニケーション活性化として挙げてくださった「レクリエーション」と「クラブ活動」について教えてください。

秋山さま:

レクリエーションは、最近は「それぞれがリフレッシュできること」としてその内容は個々人にゆだねています。
例えば1人で映画を観に行くのも良いですし、職員同士で歌舞伎を観に行くのも良いですし、自由度は高いといえます。

レクリエーションというと、「みんなでバーベキュー」などのイメージしか思い浮かびませんでした……!

秋山さま:

かつてのレクリエーションは「職員相互の絆を深める」という活動の位置づけでしたので、「何人以上で」などのルールもありましたが、大勢で集まるのが難しいコロナ禍を経て、レクリエーションの考え方が変わっていきました。
人によってリフレッシュの仕方は違いますから、多様性を受け入れているところです。

もう一つのクラブ活動も自由度は高いのでしょうか?

秋山さま:

県警側が枠を用意するのではなく、やりたい人同士で自主的に集まって取り組んでもらう活動です。
運動系のテニス、ランニング、トレーニングからインドア系のプラモデル作りまで30近いクラブが活動しています。

幅広い活動をされているのですね

秋山さま:

最終的には、プライベートも仕事も充実させるというのが理想です。リフレッシュして心身が健康になって、それが仕事にも良い循環をもたらす。それこそが「健康経営」の最たるところです。

ありがとうございます。続いて3つ目の質問に移らせてください。千葉県警さまではドクタートラストのストレスチェックをご利用いただいています。ご感想などはございますか?

秋山さま:

昨年ストレスチェックをWeb受検形式で実施したあと、実施事務従事者にアンケート取ったところ、「いつでも受検できる、すぐに結果がわかるからよかった」「職員の受検状況が確認しやすい」といった声が上がりました。

ありがとうございます。ストレスチェックでは、受検後に集団分析結果を作成、お渡ししています。こちらはどのように使われていますか?

齊藤さま:

担当幹部や産業医の先生と、事業場ごとの衛生委員会などで活用方法を検討しています。
具体的には、結果から読み取れたことの共有や振り返りに使うなどして、職場環境の改善につなげています。

職場環境改善の実例を差支えない範囲で教えていただけますか?

齊藤さま:

休憩室を調整してリラックスしやすい環境を整えた例や、空気の流れを良くするために、机や物の配置を調整した例など、ハード面での改善例があります。
あとは、人事の配置的な面でも事業場ごとに対応するなどしています。

かなりしっかり使ってくださっている印象を受けます

秋山さま:

自分たちの気づきとは別に、ストレスチェックの集団分析結果は、客観的な指標として示されますので、考えるきっかけにつながりやすいです。

では最後に、今後コミュニケーションやメンタルヘルス対策の展望をお聞かせください

秋山さま:

令和7年の活動重点の一つに「働きやすい職場環境の形成と職員相互の連帯」を定めています。
これは職員一人ひとりが心身ともに健康で士気高く、躍動できる職場環境づくりを進めながら、職員同士の信頼に基づいて連帯して警察活動を推進していこうとするものです。
そういった職員相互の連帯を実現するためには、やはり職員同士のコミュニケーションが非常に大切だと考えています。
2024年で千葉県警察は誕生150周年を迎えました。社会情勢の変化により、治安課題も複雑・多様化しています。様々な犯罪があり、情報も変わる中で、的確に対応するためには、先輩方が築いてきた伝統を継承しつつ、次の世代を切り拓くことが大事です。
警察組織は「マンパワー」の組織であり、職員が前向きにイキイキと活動することが非常に重要であるため、職員の心身の健康は組織の生命線です。心身の健康があってこそ働きやすい職場環境が実現できますので、今後も尽力していきたいと思います。

千葉県警察さま、ありがとうございました!

千葉県警察

千葉県内を管轄区域とする警察組織。2024年には創立150年を迎えた。
「頼れる、誇れる、思いやりのある千葉県警察」を基本姿勢に、千葉県に暮らす約620万人の安全で安心できる県民生活を確保するために、日夜活動を続けている。